第1章 運動療法 (04)各種治療法 ④運動学習

〈第56回 PT国試 午前25〉

運動学習について正しいのはどれか. 
1.固有感覚情報は影響しない.
2.言語学習よりも保持期間が短い.
3.学習課題の類似性に影響を受ける.
4.前の学習が後の学習を妨害することを正の転移という.
5.課題の種類にかかわらず覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる.

解答

1.× 運動学習では固有感覚情報は影響する.
2.× 運動学習は言語学習よりも保持期間が長い.
3.○ 正しい.
4.× 前の学習が後の学習を妨害することを負の転移という.
5.× 筋力・持久性・速さが求められる課題では覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる.


〈第50回 PT国試 午前48〉

運動学習について正しいのはどれか. 
1.野球のスウィングは連続的スキルに分類できる.
2.覚醒レベルとパフォーマンスの向上との関係はない.
3.運動技能の向上に伴い運動に対する注意は増加する.
4.前の学習が後の学習を促進することを正の保持という.
5.学習を促すために結果の知識(KR)の相対頻度を低下させる.

解答

1.× 野球のスウィングは不連続的スキルに分類できる.
2.× 覚醒レベルは高すぎても低すぎてもパフォーマンスは低下する(逆U字曲線).
3.× 運動技能の向上に伴い運動に対する注意は減少する.
4.× 前の学習が後の学習を促進することを正の転移という.
5.○ 正しい.


〈第47回 PT国試 午後22〉

運動学習について正しいのはどれか. 
1.理学療法士は患者に内在的フィードバックを与える.
2.内部モデルの形成には感覚フィードバックが必要である.
3.感覚情報がなくても新たな運動課題を学習することができる.
4.フィードフォワードは遂行中の運動の軌道修正に使用される.
5.指導者が与えるフィードバックは運動学習の成立に必須である.

解答

1.× 理学療法士は患者に外在的フィードバックを与える.
2.○ 正しい.
3.× 感覚情報は新たな運動課題を学習するためには必要である.
4.× フィードバックは遂行中の運動の軌道修正に使用される.
5.× 指導者が与えるフィードバックは内在的フィードバックとは異なり,運動学習の成立に必須とはいえない.


〈第44回 PT国試 午前98〉

運動学習で誤っているのはどれか. 
1.自己効力感は動機づけを高める.
2.誤差の平均値が減少すれば誤差のばらつきも減少する.
3.運動中に生じた感覚はフィードバックとして利用される.
4.指導者が頻回に与えるフィードバックは学習者の依存性を誘発する.
5.右手で練習した技能が左手でも上達するのは学習の転移による.

解答

1.○ 正しい.
2.× 運動学習において誤差の平均値が減少すれば誤差のばらつきも減少するとは限らない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試 午前98〉

運動学習の効率について正しいのはどれか. 
1.休憩は多いほどよい.
2.覚醒度は高いほどよい.
3.フィードバックは多いほどよい.
4.練習動作の難易度は低いほどよい.
5.練習動作は基準課題に似ているほどよい.

解答

1.× 休憩は多すぎても少なすぎても悪い.
2.× 覚醒度は高すぎても低すぎてもパフォーマンスは低下する(逆U字曲線).
3.× フィードバックは多すぎても少なすぎても悪い.
4.× 練習動作の難易度は8割程度がよい.
5.○ 正しい.


〈第48回 PT国試 午前41〉

運動学習理論で練習の後に与えられるのはどれか. 
1.言語教示
2.ガイダンス
3.結果の知識
4.ハンドリング
5.デモンストレーション

解答

1.× 言語教示とは練習前に指導者が与える言葉による指示である.
2.× ガイダンスとは練習前に行う運動課題の説明である.
3.○ 正しい.
4.× ハンドリングとは練習中に行う指導者の誘導である.
5.× デモンストレーションとは練習の前に行う運動課題の実演である.


〈第45回 PT国試 午前50〉

指導者が与えるKR(Knowledge of Results)の持つ作用でないのはどれか. 
1.運動反応の変化を引き起こす.
2.運動感覚への注意を喚起する.
3.指導者への依存心を誘発する.
4.学習者の動機づけを高める.
5.認知的負荷を高める.

解答

1.○ 正しい.
2.× 運動感覚は運動中に生じる感覚であるため,KRは関与しない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第43回 PT国試 午前6〉

図に示す学習曲線について正しいのはどれか.2つ選べ. 

1.課題が難しいと①の期間が短くなる.
2.①の時期は外的動機づけが重要である.
3.②の時期は内的動機づけが高い.
4.③の時期は環境によって成功率が大きく変化する.
5.③の期間の長さはその後の成果の保持に影響を与えない.

解答

1.× 課題が難しいと①の期間が長くなる.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ③の時期は環境が変わっても成功率は変化しない.
5.× ③の期間の長さはその後の成果の保持に影響を与える.


〈第46回 PT国試 午後20〉

脳機能に低下のない患者が単純な運動課題を学習する過程を図に示す.a,b,cの時間変化とその効果との説明で正しいのはどれか. 

1.aを短縮すると課題を理解しやすくなる.
2.bを短縮すると運動感覚を把握しやすくなる.
3.bを延長すると運動イメージを忘却しやすくなる.
4.cを短縮すると誤差修正がしやすくなる.
5.cを延長すると運動プログラムを保持しやすくなる.

解答

1.× aを短縮すると課題の理解が得られにくくなる.
2.× bを短縮すると自動的に生じた運動感覚を把握しにくい.
3.○ 正しい.
4.× cを短縮すると内的基準の修正が間に合わず誤差修正がしにくくなる.
5.× cを延長すると次試行の運動プログラムを忘却しやすくなる.


〈第49回 PT国試 午前48〉

運動学習が成立する過程で起こるのはどれか.2つ選べ. 
1.誤差の平均値が減少する.
2.誤差のばらつきが大きくなる.
3.課題遂行に向ける注意の量が増大する.
4.結果の知識(KR)への依存度が増大する.
5.練習効果の翌日への持越しが容易になる.

解答

1.○ 正しい.
2.× 誤差のばらつきが小さくなる.
3.× 課題遂行に向ける注意の量が減少する.
4.× 結果の知識(KR)への依存度が減少する.
5.○ 正しい.


〈第46回 PT国試 午前48〉

運動学習が進んだ段階で生じる変化で誤っているのはどれか. 
1.視覚的手がかりへの依存度が減る.
2.別の課題への転移が容易になる.
3.注意の集中がより必要になる.
4.試行間のばらつきが減少する.
5.自己修正の精度が高くなる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 注意の集中が減少する.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第51回 PT国試 午前46〉

新しい運動を学習するときに患者の手続き記憶に変換される段階はどれか. 
1.患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき.
2.患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき.
3.患者が運動を試行錯誤しているとき.
4.患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき.
5.患者が実際の生活環境で実践しているとき.

解答

1.× 教示しているときはまだ手続き記憶に変換されていない.
2.× 運動課題の提示と説明ではまだ手続き記憶に変換されていない.
3.× 試行錯誤しているときはまだ手続き記憶に変換されていない.
4.○ 正しい.
5.× 実際に実践しているときはすでに手続き記憶に変換されている.


〈第59回 PT国試 午前24〉

課題と記憶の組合せで正しいのはどれか. 
1.自転車に乗る ――― エピソード記憶
2.海外旅行の思い出を語る ――― 展望記憶
3.紙や鉛筆を使わずに暗算する ――― ワーキングメモリー
4.教師になったきっかけを説明する ――― 意味記憶
5.建物の建築方法について説明する ――― 手続き記憶

解答

1.× 自転車に乗る ――― 手続き記憶
2.× 海外旅行の思い出を語る ――― エピソード記憶
3.○ 正しい.
4.× 教師になったきっかけを説明する ――― エピソード記憶
5.× 建物の建築方法について説明する ――― 意味記憶


〈第48回 PT国試 午後40〉

運動学習の転移が関係していると考えられるのはどれか. 
1.ゆっくりした歩行を練習した後に速い歩行が改善した.
2.温熱療法で痙縮を軽減させた後に階段昇降動作が改善した.
3.片麻痺患者にCI療法を行った後に麻痺側上肢の機能が向上した.
4.椅子からの立ち上がり練習を行った後に下肢伸筋群の筋力が向上した.
5.ハムストリングスを徒手的に伸張した後にプッシュアップ動作が改善した.

解答

1.○ 正しい.
2.× 温熱療法の効果による動作改善である.
3.× CI療法は強制的に麻痺側上肢を使用することによる機能向上である.
4.× 椅子からの立ち上がりを用いた下肢伸筋群の筋力増強運動である.
5.× ハムストリングスの伸張運動の効果による動作改善である.


〈第47回 PT国試 午前31〉

練習方法の説明で正しいのはどれか. 
1.1つのスキルを試行間で速度を変えずに練習するのは恒常練習である.
2.1つのスキルを様々な速度で練習するのはランダム練習である.
3.練習時間を短時間に分けて練習するのは部分練習である.
4.1つのスキルを細分化して練習するのは分散練習である.
5.複数のスキルを混ぜて練習するのは多様練習である.

解答

1.○ 正しい.
2.× 1つのスキルを様々な速度でランダムに練習するのは多様練習である.
3.× 練習時間を短時間に分けて練習するのは分散練習である.
4.× 1つのスキルを細分化して練習するのは部分練習である.
5.× 複数のスキルを混ぜてランダムに練習するのはランダム練習である.


〈第51回 PT国試 午後39〉

車椅子からベッドへの移乗動作の練習で離殿を繰り返すのはどれか. 
1.恒常練習
2.多様練習
3.部分練習
4.分散練習
5.ランダム練習

解答

1.× 恒常練習は1つのスキルをパラメータを変えずに反復する練習方法である.
2.× 多様練習は1つのスキルをパラメータを変えながら練習する方法である.
3.○ 正しい.
4.× 分散練習は練習時間を短時間に分けて練習する方法である.
5.× ランダム練習は複数のスキルを混ぜてランダムに練習する方法である.


〈第57回 PT国試 午前22〉

歩行導入初期における運動学習の方法として適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.ハンドリングを行う.
2.休憩を入れずに練習する.
3.踵接地の練習を繰り返し行う.
4.後ろ歩きや横歩きの練習を取り入れる.
5.フィードバックを与える頻度を少なくする.

解答

1.○ 正しい.
2.× 歩行導入初期は休憩を入れながら練習する.
3.○ 正しい.
4.× 後ろ歩きや横歩きの練習を取り入れるのは歩行が安定した後である.
5.× 歩行能力の向上に合わせてフィードバックを与える頻度を少なくする.


〈第59回 PT国試 午後31〉

運動療法を受ける患者の自己効力感が低下する可能性が高いのはどれか. 
1.運動療法時に医療者が励ます.
2.運動後の疲労は問題ないことを説明する.
3.既に退院した患者の成功した治療例を伝える.
4.類似した事柄に対して過去に成功体験がある.
5.達成が困難な高い目標の運動課題を初めに設定する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 達成が可能な目標の運動課題を初めに設定する.


〈第59回 PT国試 午後23〉

運動制御における内部モデル形成で重要な役割をもつ中枢神経系はどれか. 
1.小脳
2.中脳
3.視床下部
4.大脳皮質
5.大脳辺縁系

解答

1.○ 運動制御における内部モデル形成では小脳が重要な役割をもつ.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.