【1】Danielsらの徒手筋力テストを図に示す.対象となる筋はどれか.
2.僧帽筋
3.菱形筋
4.肩甲下筋
5.上腕三頭筋
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 肩内旋の対象筋は肩甲下筋である.
5.× 誤り.
【2】次の文により,2,3の問いに答えよ.80歳の男性.間質性肺疾患の急性増悪で入院中.酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている.肺炎は認めないが血圧変動が大きい.理学療法で最も適切なのはどれか.
1.咳嗽訓練
2.歩行練習
3.移乗動作練習
4.関節可動域運動
5.等尺性筋力増強運動
解答
1.× 間質性肺疾患は乾性咳嗽であり,痰はみられないため,咳嗽訓練は適応とならない.
2.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,歩行練習は困難である.
3.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,移乗動作練習は困難である.
4.○ 正しい.
5.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,等尺性筋力増強運動は禁忌である.
【3】次の文により,2,3の問いに答えよ.80歳の男性.間質性肺疾患の急性増悪で入院中.酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている.肺炎は認めないが血圧変動が大きい.その後,人工呼吸器を離脱して気管切開孔を閉鎖したが,右肺に気胸を生じ,経鼻酸素療法中である.胸部エックス線写真を示す.この時期の理学療法で最も適切なのはどれか.
2.呼吸理学療法手技で気胸側の胸郭を拡張させる.
3.修正Borgスケール9以上の強度で運動療法を行う.
4.呼吸筋力の低下に対して吸気筋トレーニングを行う.
5.呼吸数/一回換気量(f/TV)が150以上であれば筋力増強運動を行う.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【4】50歳の男性.身長175cm,体重80kg.日常的な身体活動量を計測したところ,毎日5METs,30分間の歩行運動を実施していた.この歩行運動の消費エネルギーはどれか.
1.110Kcal
2.160Kcal
3.210Kcal
4.260Kcal
5.310Kcal
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 消費するカロリー(kcal)=1.05×5METs×0.5H×80kg=210kcal
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【5】65歳の男性.脳出血による弛緩性右片麻痺で肩関節に2横指の亜脱臼がある.関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準1995年)に従って右肩関節外転の関節可動域検査を行う際に正しいのはどれか.
1.基本軸は体幹である.
2.肘関節屈曲位で計測する.
3.肩甲骨は動かないように固定する.
4.90度以上の外転は前腕を回外させる.
5.上肢の長軸方向に牽引を加えて測定する.
解答
1.× 肩関節外転の基本軸は肩峰を通る床への垂直線である.
2.× 肩関節外転は肘関節伸展位で計測する.
3.× 肩関節外転の測定では肩甲骨は固定しない.
4.○ 正しい.
5.× 亜脱臼があるため,上肢の長軸方向に牽引を加えずに測定する.
【6】6歳の男児.1年前から歩行時の転倒が頻回にみられるようになったため病院を受診し,遺伝子検査でDuchenne型筋ジストロフィーと診断された.四肢体幹筋は萎縮しており,MMTで両側下肢の近位筋が2,遠位筋が3である.屋内は四つ這いで移動し,小学校の普通学級に車椅子で通学している.機能障害度(厚生省筋萎縮症研究班)のステージで正しいのはどれか.
1.ステージ4
2.ステージ5
3.ステージ6
4.ステージ7
5.ステージ8
解答
1.× ステージ4では歩行が可能である.
2.○ ステージ5では四つ這いが可能である.
3.× ステージ6ではずり這いが可能である.
4.× ステージ7では座位保持が可能である.
5.× ステージ8では座位保持が不可能である.
【7】22歳の男性.大学の野球部に所属している.右上肢の投球動作時の違和感を訴えて受診し,理学療法が開始された.図に示す手法で伸張される筋はどれか.
2.棘上筋
3.小円筋
4.前鋸筋
5.大円筋
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 肩関節90度外転かつ肘関節90度屈曲した肢位での肩関節外旋では大円筋が伸張される.
【8】60歳の男性.交通事故による右足部の開放骨折のため入院した.1週間後に右足部の腫脹,熱感が出現し,右中足骨の骨髄炎と診断され,右足関節離断術が施行された.製作すべき義足はどれか.
1.PTB式下腿義足
2.TSB式下腿義足
3.吸着式下腿義足
4.サイム義足
5.足根中足義足
解答
1.× PTB式下腿義足は下腿切断で適応となる.
2.× TSB式下腿義足は下腿切断で適応となる.
3.× 吸着式下腿義足は下腿切断で適応となる.
4.○ 正しい.
5.× 足根中足義足はショパール離断で適応となる.
【9】32歳の男性.右上肢の筋力低下を訴えて受診し,理学療法が開始された.筋力を評価するために,右上肢を前方挙上して壁を押させた時の様子を図に示す.その結果,右肩甲骨の内側縁全体が胸郭から離れる現象が認められた.筋力低下が最も疑われる筋はどれか.
2.肩甲下筋
3.広背筋
4.前鋸筋
5.大円筋
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 翼状肩甲が認められるため前鋸筋の筋力低下が疑われる.
5.× 誤り.
【10】65歳の女性.右利き.突然の意識障害で急性期病院に搬送され,脳出血と診断された.右上下肢の運動麻痺,感覚障害は中等度.端座位では体幹が麻痺側に傾くが,理学療法士の修正に抵抗することなく正中位に戻ることが可能である.常に非麻痺側を向いているが,麻痺側からの刺激にも反応する.食事や歯磨きは非麻痺側上肢で行うが,麻痺側の食べ残しや,磨き残しが多い.この患者に用いる検査で最も優先順位が高いのはどれか.
1.WAB
2.WCST
3.線分抹消試験
4.道具を使用したパントマイム
5.SCP〈Scale for Contraversive Pusging〉
解答
1.× WABは総合的失語症検査である.
2.× WCSTは遂行機能障害の検査法である.
3.○ 半側空間無視が疑われるため線分抹消試験の優先度が高い.
4.× 道具を使用したパントマイムは観念運動失行の検査法である.
5.× SCP〈Scale for Contraversive Pusging〉はプッシャー現象の診断基準である.
【11】Parkinson病患者30名に対してリズミカルな運動を導入した.導入1週後の歩行速度の変化について,統計処理を実施したところ,有意差(p<0 .05="" span="">
1.Paired-t検定
2.一元配置分散分析
3.Kruskal-Wallis検定
4.Mann-WhitneyのU検定
5.Wilcoxonの符号順位検定0>
解答
1.○ Paired-t検定:対応があり正規分布を示す連続変数の2群間の差を検定する.
2.× 一元配置分散分析:正規分布を示す連続変数の3群以上の差を検定する.
3.× Kruskal-Wallis検定:対応のない正規分布を示さない連続変数の3群以上の差を検定する.
4.× Mann-WhitneyのU検定:対応のない正規分布を示さない連続変数の2群間の差を検定する.
5.× Wilcoxonの符号順位検定:対応のある正規分布を示さない連続変数の2群間の差を検定する.
【12】70歳の女性.脳出血による右片麻痺.Brunnstrom法ステージ上肢Ⅳ,下肢Ⅳ.独居にて自宅で生活し,屋内は短下肢装具と杖を使用して歩行可能である.最近歩行時にふらつきが生じるなど転倒への不安が強まったことから,通所リハビリテーションを利用することとなった.通所時の転倒リスク評価で適切なのはどれか.
1.TUG
2.NIHSS
3.UPDRS
4.modified Tardieu scale
5.Physiological cost index〈PCI〉
解答
1.○ 正しい.
2.× NIHSSは脳血管障害急性期に適した評価法である.
3.× UPDRSはパーキンソン病患者の評価スケールである.
4.× modified Tardieu scaleは痙縮評価指標である.
5.× Physiological cost index〈PCI〉は歩行の生理的コスト指数である.
【13】17歳の男子.2か月前の体育の授業中に左膝の痛みに気付いたが,放置していた.最近は歩行時の左膝の痛みが出現したため病院を受診した.精査の結果,左大腿直筋の平滑筋肉腫と診断され,左大腿四頭筋の広範囲切除術が施行された.術後の左膝の関節可動域は屈曲120°,伸展-10°でMMTは屈曲4,伸展3であった.最も適切な装具はどれか.
1.車椅子
2.PTB式免荷装具
3.両側金属支柱付膝装具
4.両側金属支柱付短下肢装具
5.両側金属支柱付長下肢装具
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 術後の左膝のMMTは屈曲4,伸展3であるため,両側金属支柱付膝装具が適応となる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【14】56歳の男性.身長165cm,体重45kg.肺癌の外来化学療法の治療中であったが,1週間前から息苦しさがあり,呼吸困難が増悪したため緊急入院した.精査の結果,両肺の癌性胸膜炎と診断され,胸部単純CTで両側胸水を認めた.意識は清明.心拍数60/分,整.血圧102/78mmHg.呼吸数20/分.SpO₂95%(room air).痰の喀出量が多く,頻回に努力性の咳嗽が出現し,安静時でも呼吸困難を訴えている.理学療法の方針で適切なのはどれか.
1.背臥位をとらせる.
2.有酸素運動を行う.
3.理学療法は中止する.
4.ハフィングを指導する.
5.口すぼめ呼吸を指導する.
解答
1.× 両側胸水を認めており,背臥位は背部肺野の水分量増加,腹圧や心臓による肺野の圧迫により換気効率が低下するため適切でない.
2.× 安静時にも呼吸困難がある状態での有酸素運動は過負荷である.
3.× 呼吸理学療法は症状緩和と排痰のために有効である.
4.○ 正しい.
5.× 痰の喀出多量と努力性咳嗽に対し,口すぼめ呼吸の直接的効果は低い.
【15】64歳の男性.バイク走行中に転倒し,救命救急センターへ搬入された.救急外来到着時の頸椎単純CTを示す.頸椎脱臼骨折と診断され,同日手術が施行された.術後,四肢麻痺と肛門周囲の感覚脱失を認め,Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類C6B1完全麻痺の頸髄損傷と診断された.目標として設定する動作で最も適切なのはどれか.
2.屋内平地での車椅子駆動
3.電動車椅子を用いた移動
4.側方アプローチの移乗動作
5.床から車椅子への移乗動作
解答
1.○ 正しい.
2.× 屋内平地での車椅子駆動を目標として設定するのはC5機能残存レベルである.
3.× 電動車椅子を用いた移動を目標として設定するのはC4機能残存レベルである.
4.× 側方アプローチの移乗動作を目標として設定するのはC6B2機能残存レベルである.
5.× 床から車椅子への移乗動作を目標として設定するのはC8機能残存レベルである.
【16】70歳の男性.COVID-19による肺炎で入院し,マスクで酸素10L/分を投与している.PaO₂は背臥位では60mmHgであったのに対して腹臥位では100mmHgに改善した.PaO₂の改善に最も多く影響した影響はどれか.
1.肺拡散能
2.換気血流比
3.解剖学的死腔
4.肺動静脈奇形
5.吸入気酸素濃度
解答
1.× 肺拡散能は体位によって変化しない.
2.○ 腹臥位で換気と血流のバランスが良くなり酸素化が改善したと考える.
3.× 解剖学的死腔は気道構造に依存しており,体位によって変化しない.
4.× 肺動静脈奇形は構造的な異常であり,体位によって影響しない.
5.× 吸入気酸素濃度は変えていないため影響しない.
【17】75歳の男性.右変形性股関節症で歩行時に疼痛の訴えがあった.歩行時床反力の垂直分力(両側)を図に示す.右大腿直筋が活動する期はどれか.2つ選べ.
2.②
3.③
4.④
5.⑤
解答
1.○ 右下肢の垂直成分はやや小さいもののパターンの崩れはないため,正常と同様に大腿直筋の活動は立脚相初期にピークとなる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 右下肢の垂直成分はやや小さいもののパターンの崩れはないため,正常と同様に,大腿直筋は立脚相終期に第2の小さな活動を生じている.
【18】55歳の男性.1か月前に急性心筋梗塞で入院し,経皮的冠動脈形成術を受けた.退院後に在宅において実施する全身持久力運動で正しいのはどれか.
1.運動頻度は週2回以内とする.
2.1回10分以下の運動を勧める.
3.Borg指数11~13の運動を勧める.
4.拡張期血圧120mmHgでは運動が可能である.
5.運動強度は最高酸素摂取量の10~20%で実施する.
解答
1.× 運動頻度は週3回以上とする.
2.× 1回20分以上の運動を勧める.
3.○ 正しい.
4.× 拡張期血圧120mmHgでは積極的な運動を実施しない.
5.× 運動強度は最高酸素摂取量の40~60%で実施する.
【19】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準1995年)を図に示す.正しいのはどれか.
2.肩水平伸展
3.股伸展
4.膝屈曲
5.足底屈(屈曲)
解答
1.× 肩甲骨挙上の基本軸は両側の肩峰を結ぶ線である.
2.× 肩水平伸展は前腕中間位で測定する.
3.× 股伸展は膝関節伸展位で測定する.
4.○ 正しい.
5.× 足底屈(屈曲)は膝関節屈曲位で測定する.
【20】75歳の女性.右大腿骨頸部骨折に対して人工骨頭置換術が施行され,入院中である.現在T字杖を用いて50m以上歩行可能で,階段昇降は4段まで可能である.その他のADLはすべて自立している.FIM運動項目の得点はどれか.
1.83点
2.85点
3.87点
4.89点
5.91点
解答
1.× 歩行6点,階段5点,その他全て7点=13×7-1-2=88点
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【21】ノーマライゼーションで正しいのはどれか.
1.医学的モデルに基づいた概念である.
2.日本からはじまった社会理念である.
3.障害者が自己決定権を有することである.
4.福祉サービスを利用せずに生活することである.
5.身体機能の改善によって生活を正常化させることである.
解答
1.× ノーマライゼーションは医学的モデルに基づいた概念でない.
2.× ノーマライゼーションはデンマークからはじまった社会理念である.
3.○ 正しい.
4.× ノーマライゼーションの原理は福祉サービスを利用した障害者の自立である.
5.× ノーマライゼーションの原理は身体機能の改善による生活の正常化ではなく,障害を持っていても健常者と均等に当たり前に生活できるような社会である.
【22】介護保険制度における福祉用具貸与で,要支援1の者が給付対象となる福祉用具はどれか.
1.T字杖
2.ウォーカーケイン
3.車椅子
4.特殊寝台
5.移動用リフト
解答
1.× T字杖は福祉用具貸与の給付対象に含まれない.
2.○ 正しい.
3.× 車椅子は要介護2~5の者が福祉用具貸与の給付対象となる.
4.× 特殊寝台は要介護2~5の者が福祉用具貸与の給付対象となる.
5.× 移動用リフトは要介護2~5の者が福祉用具貸与の給付対象となる.
【23】ICFの分類で環境因子に含まれるのはどれか.
1.移動
2.疾患
3.職業
4.制度
5.既往歴
解答
1.× 移動は活動と参加に含まれる.
2.× 疾患は健康状態に含まれる.
3.× 職業は個人因子である.
4.○ 正しい.
5.× 既往歴は健康状態に含まれる.
【24】障害者自立支援法が障害者総合支援法になったことに伴い新たな支援対象として追加されたのはどれか.
1.難病
2.身体障害
3.精神障害
4.知的障害
5.高次脳機能障害
解答
1.○ 障害者総合支援法では新たな支援対象として難病が追加された.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【25】6~12歳におけるGMFCSレベルと動作能力の組合せで正しいのはどれか.
1.Ⅰ ――― 階段で手すり使用
2.Ⅱ ――― 装具なしで歩行
3.Ⅲ ――― 不整地の歩行
4.Ⅳ ――― 通常の椅子で座位保持
5.Ⅴ ――― 四つ這い移動可能
解答
1.× Ⅰ ――― 不整地の歩行
2.○ 正しい.
3.× Ⅲ ――― 手に持つ移動器具を使用した歩行
4.× Ⅳ ――― 四つ這い移動可能
5.× Ⅴ ――― 手動車いすで移送
【26】我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率で適切なのはどれか.
1.5%
2.15%
3.35%
4.55%
5.75%
解答
1.× 誤り.
2.○ 軽度認知障害〈MCI〉の有病率は15%である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【27】スワンネック変形で過伸展となるのはどれか.
1.遠位指節間関節
2.遠位橈尺関節
3.近位指節間関節
4.手根中手関節
5.中手指節間関節
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ スワンネック変形では近位指節間関節の過伸展と遠位指節間関節の屈曲が生じる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【28】基礎代謝量で正しいのはどれか.
1.体温上昇に伴い低くなる.
2.慢性炎症性疾患では高くなる.
3.除脂肪体重が少ないと高くなる.
4.思春期以降は加齢とともに高くなる.
5.同一年齢では男性のほうが女性より低い.
解答
1.× 基礎代謝量は体温上昇に伴い高くなる.
2.○ 正しい.
3.× 基礎代謝量は除脂肪体重が少ないと低くなる.
4.× 思春期以降の基礎代謝量は加齢とともに低くなる.
5.× 基礎代謝量は同一年齢では男性のほうが女性より高い.
【29】UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)Version3.0の運動能力検査の項目はどれか.
1.嚥下
2.固縮
3.転倒
4.寝返り
5.歩行中のすくみ
解答
1.× 嚥下は日常生活動作の検査項目である.
2.○ 正しい.
3.× 転倒は日常生活動作の検査項目である.
4.× 寝返りは日常生活動作の検査項目である.
5.× 歩行中のすくみは日常生活動作の検査項目である.
【30】Fugl-Meyer Assessmentで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.評価は4段階で行う.
2.満点は226点である.
3.感覚は痛覚を評価する.
4.評価項目は4つである.
5.Brunnstrom法ステージと共通する評価項目がある.
解答
1.× FMAの評価は3段階で行う.
2.○ 正しい.
3.× FMAにおける感覚は触覚と位置覚を評価する.
4.× FMAの評価項目は3分類113項目である.
5.○ 正しい.
【31】WeeFIMで正しいのはどれか.
1.できる活動を評価する.
2.検査項目は15項目である.
3.適応年齢は8歳以上である.
4.介助の程度に応じて6段階で評価する.
5.社会的交流として,遊びへの参加を評価する.
解答
1.× WeeFIMはしている活動を評価する.
2.× WeeFIMの検査項目は18項目である.
3.× WeeFIMの適応年齢は6か月~7歳未満である.
4.× WeeFIMは介助の程度に応じて7段階で評価する.
5.○ 正しい.
【32】認知症の中核症状はどれか.2つ選べ.
1.失認
2.徘徊
3.妄想
4.抑うつ
5.見当識障害
解答
1.○ 正しい.
2.× 徘徊は認知症の周辺症状である.
3.× 妄想は認知症の周辺症状である.
4.× 抑うつは認知症の周辺症状である.
5.○ 正しい.
【33】フレイルの判定要件はどれか.2つ選べ.
1.骨密度の減少
2.柔軟性の低下
3.肺活量の低下
4.歩行速度の低下
5.身体活動量の減少
解答
1.× フレイルの判定要件は体重減少,筋力低下,疲労感,歩行速度の低下,身体活動量の減少である.
2.× フレイルの判定要件は体重減少,筋力低下,疲労感,歩行速度の低下,身体活動量の減少である.
3.× フレイルの判定要件は体重減少,筋力低下,疲労感,歩行速度の低下,身体活動量の減少である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【34】Functional Reach Testで正しいのはどれか.
1.歩行速度の簡易予測に用いる.
2.リーチ時に踵を浮かせてよい.
3.リーチ距離の水平成分を測定する.
4.両上肢をそろえて前方にリーチさせる.
5.SPPB(Short Physical Performance Battery)検査の一部である.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 正しい.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【35】酸素療法機器で正しいのはどれか.
1.鼻カニュラは高流量系である.
2.高流量系機器は加湿不要である.
3.医療ガスの酸素ボンベは緑色である.
4.ベンチュリマスクは低流量系である.
5.在宅酸素療法では酸素濃縮器を用いる.
解答
1.× 鼻カニュラは低流量系である.
2.× 低流量機器では3L/分,高流量機器では40%以上から加湿する.
3.× 医療ガスの酸素ボンベは黒色である.
4.× ベンチュリマスクは高流量系である.
5.○ 正しい.
【36】口すぼめ呼吸の指導で正しいのはどれか.
1.吸気を延長させる.
2.呼吸数を増加させる.
3.COPD患者に適用する.
4.機能的残気量を増加させる.
5.頬を膨らませるように指導する.
解答
1.× 口すぼめ呼吸は呼気を延長させる.
2.× 口すぼめ呼吸は呼気時間を延長するため呼吸数を減少させる.
3.○ 正しい.
4.× 口すぼめ呼吸は1回換気量を増やし,機能的残気量を減少させる.
5.× 口すぼめ呼吸は口唇をすぼめてゆっくり呼出するように指導する.
【37】MRC sum scoreで評価できるのはどれか.
1.ICU-AW
2.意識障害
3.嚥下障害
4.入院関連能力低下[HAD〈Hospitalization Associated Disability〉]
5.抑うつ
解答
1.○ MRC sum scoreで評価できるのはICU-AWである.
2.× 意識障害はGCSやJCSで評価する.
3.× 嚥下障害は反復唾液嚥下テスト〈RSST〉や改訂水飲みテスト〈MWST〉などで評価する.
4.× 入院関連能力低下[HAD〈Hospitalization Associated Disability〉]ではADL,身体機能,認知・精神機能を評価する.
5.× 抑うつはSDS〈Self-rating Depression Scale〉などの質問紙で評価する.
【38】理学療法評価における社会的情報に該当しないのはどれか.
1.趣味
2.職業
3.体重
4.配偶者の有無
5.家屋内の段差の有無
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 体重は理学療法評価における医学的情報である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【39】血液検査項目と疾患の組合せで正しいのはどれか.
1.CK-MB ――― 末梢動脈疾患[PAD〈peripheral artery disease〉]
2.Dダイマー ――― 深部静脈血栓症〈DVT〉
3.eGFR ――― 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉
4.NT-proBNP ――― 間質性肺疾患〈ILD〉
5.SP-D ――― 慢性心不全〈CHF〉
解答
1.× CK-MB ――― 急性心筋梗塞〈AMI〉
2.○ 正しい.
3.× eGFR ――― 慢性腎臓病〈CKD〉
4.× NT-proBNP ――― 慢性心不全〈CHF〉
5.× SP-D ――― 間質性肺疾患〈ILD〉
【40】筋力増強運動で正しいのはどれか.
1.高齢者では高負荷低頻度で実施するのがよい.
2.運動の効果には対象者の運動経験は影響しない.
3.等張性収縮には求心性収縮と遠心性収縮がある.
4.筋力維持には最大筋力の40~50%以上の負荷が必要である.
5.等速性収縮の角速度高速域での運動は筋出力効果が増大する.
解答
1.× 高齢者の筋力増強運動は低負荷高頻度で実施するのがよい.
2.× 運動の効果には対象者の運動経験は影響する.
3.○ 正しい.
4.× 筋力維持には最大筋力の20~30%以上の負荷が必要である.
5.× 等速性収縮の角速度低速域での運動は筋出力効果が増大する.
【41】前十字靭帯損傷で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.単独損傷が8割以上である.
2.Lachman testが陽性となる.
3.再建術は受傷後1年以降が推奨されている.
4.受傷前レベルへのスポーツ復帰率は9割以上である.
5.ハムストリングスの収縮により損傷部位の緊張は低下する.
解答
1.× 前十字靭帯損傷の単独損傷はおおよそ2~4割である.
2.○ 正しい.
3.× 前十字靭帯再建術は受傷後3~5週程度が推奨されている.
4.× 前十字靭帯再建術後の受傷前レベルへのスポーツ復帰率は5~6割である.
5.○ 正しい.
【42】日本で最初の理学療法士養成教育機関が開設された時期はどれか.
1.1950年代
2.1960年代
3.1970年代
4.1980年代
5.1990年代
解答
1.× 誤り.
2.○ 1963年に日本で最初の理学療法士養成教育機関が開設された.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【43】脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイド2018に示されている集中リハビリテーションの転帰指標はどれか.
1.SARA
2.筋力
3.咳嗽力
4.深部感覚
5.関節可動域
解答
1.○ 集中リハビリテーションの転帰指標はSARA,歩行速度,バランス指標,FIMである
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【44】登はん性起立を示すのはどれか.
1.筋強直性ジストロフィー
2.肢帯型筋ジストロフィー
3.先天型筋ジストロフィー
4.Duchenne型筋ジストロフィー
5.顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
解答
1.× 筋強直性ジストロフィーは四肢遠位部の筋力低下とミオトニアを特徴とする.
2.× 肢帯型筋ジストロフィー四肢近位筋の筋力低下を特徴とするが,登はん性起立はみられない.
3.× 先天型筋ジストロフィーは全身の低緊張と筋力低下,精神発達遅滞を特徴とする.
4.○ Duchenne型筋ジストロフィーは登はん性起立を示す.
5.× 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは顔面,肩甲,上腕部の筋萎縮を特徴とする.
【45】正常歩行周期で膝関節伸展モーメントが最も作用するのはどれか.
1.初期接地
2.荷重応答期
3.立脚終期
4.前遊脚期
5.遊脚中期
解答
1.× 誤り.
2.○ 荷重応答期直後に小さな屈曲モーメントを示し,すぐに逆転し大きな伸展モーメントのピークを示す.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【46】錐体外路に含まれないのはどれか.
1.黒質
2.視床下核
3.錐体交叉
4.線条体
5.淡蒼球
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 錐体交叉は錐体路に含まれる.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【47】自律神経障害の症状はどれか.2つ選べ.
1.振戦
2.複視
3.不整脈
4.血圧低下
5.視力低下
解答
1.× 自律神経障害で振戦はみられない.
2.× 自律神経障害で複視はみられない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 自律神経障害で視力低下はみられない.
【48】小脳梗塞でみられるのはどれか.2つ選べ.
1.眼振
2.球麻痺
3.運動失調
4.同名半盲
5.遂行機能障害
解答
1.○ 正しい.
2.× 球麻痺は延髄の障害でみられる.
3.○ 正しい.
4.× 同名半盲は視索・視放線,後頭葉の障害でみられる.
5.× 遂行機能障害は前頭葉の障害でみられる.
【49】無作為化比較試験で正しいのはどれか.
1.観察研究である.
2.交絡因子の影響を小さくできる.
3.インフォームドコンセントは不要である.
4.因子間の相互関係を調べることが目的である.
5.診療録に記載してある過去の記録で調査できる.
解答
1.× 無作為化比較試験は介入研究である.
2.○ 正しい.
3.× 無作為化比較試験ではインフォームドコンセントが必要である.
4.× 無作為化比較試験は介入効果を明らかにすることが目的である.
5.× 無作為化比較試験は介入前後の状態を比較するため,診療録に記載してある過去の記録で調査できない.
【50】三次予防にあたるのはどれか.
1.高血圧患者の薬物療法
2.高齢者の骨折予防指導
3.乳癌のマンモグラフィ検診
4.脳卒中患者の職場復帰支援
5.インフルエンザワクチンの接種
解答
1.× 高血圧患者の薬物療法は二次予防に含まれる.
2.× 高齢者の骨折予防指導は一次予防に含まれる.
3.× 乳癌のマンモグラフィ検診は二次予防に含まれる.
4.○ 正しい.
5.× インフルエンザワクチンの接種は一次予防に含まれる.