第2章 理学療法の基本 (01)理学療法研究 ②研究法

〈第55回 PT国試 午前21〉

臨床研究を実施する上で適切でないのはどれか. 
1.研究対象はポスターを用いて募集した.
2.研究の内容について対象者に書面を見せながら口頭で説明した.
3.データ処理を匿名化で行った.
4.得られたデータはパソコンの共有フォルダで保管した.
5.対象者からの研究の同意への撤回請求に応じた.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 得られたデータはパソコンの共有フォルダでは保管しない.
5.○ 正しい.


〈第54回 PT国試 午後21〉

最もエビデンスレベルが高いのはどれか. 
1.無作為化比較試験
2.コホート研究
3.症例集積研究
4.症例対照研究
5.症例報告

解答

1.○ 無作為化比較試験はエビデンスレベルⅠである.
2.× コホート研究はエビデンスレベルⅡである.
3.× 症例集積研究はエビデンスレベルⅢである.
4.× 症例対照研究はエビデンスレベルⅡである.
5.× 症例報告はエビデンスレベルⅢである.


〈第48回 PT国試 午前49〉

研究法の説明で正しいのはどれか. 
1.前方視研究では対象者の過去の現象を調査する.
2.後方視研究の中で介入研究を行うことができる.
3.ケースコントロール研究は横断研究に含まれる.
4.コホート研究では結果に関連する予測因子を分析する.
5.シングルケーススタディはシングルケースデザインの一種である.

解答

1.× 前方視研究では対象者の将来の現象を調査する.
2.× 後方視研究は過去にさかのぼって暴露の有無などを調べる方法で,観察的研究である.
3.× ケースコントロール研究は後ろ向き研究(縦断研究)に含まれる.
4.○ 正しい.
5.× シングルケーススタディ(症例研究)はシングルケースデザイン(単一例研究法)とは異なる.


〈第52回 PT国試 午前23〉

対象者を現在の生活習慣から喫煙群と非喫煙群とに分け,喫煙に起因する将来の脳血管障害の発生を明らかにする疫学研究法はどれか. 
1.横断研究
2.記述研究
3.コホート研究
4.症例対照研究
5.無作為化比較試験

解答

1.× 横断研究は疾患を有する患者群に対して現在の暴露の有無・程度を検査測定し検討する方法である.
2.× 記述研究は現状データの記述のみに止まる研究である.
3.○ 正しい.
4.× 症例対照研究(ケースコントロール研究)は患者群と疾患群に分けて疾患の特徴(検査値など)や暴露の有無,背景因子の違いなどを比較する後ろ向き研究である.
5.× 無作為化比較試験は暴露要因以外はすべて公平になるように対象をランダムに複数の群に分けて,暴露要因の影響を調べる比較研究である.


〈第58回 PT国試 午前23〉

観察的研究を研究デザインとするのはどれか.2つ選べ. 
1.コホート研究
2.メタアナリシス
3.無作為化比較対照試験
4.ケースコントロール研究
5.システマティックレビュー

解答

1.○ 正しい.
2.× メタアナリシスはデータ統合型研究である.
3.× 無作為化比較対照試験は介入研究である.
4.○ 正しい.
5.× システマティックレビューはデータ統合型研究である.


〈第51回 PT国試 午前49〉

介入研究に該当するのはどれか. 
1.特定の集団での継続的な治療の観察
2.通常行われている治療の効果判定
3.2群に分けた治療の前向き比較
4.複数データによる横断的比較
5.過去の治療成績間の比較

解答

1.× 「特定の集団での継続的な治療の観察」:観察的研究
2.× 「通常行われている治療の効果判定」:観察的研究
3.○ 正しい.
4.× 「複数データによる横断的比較」:観察的研究
5.× 「過去の治療成績間の比較」:観察的研究


〈第60回 PT国試 午前49〉

無作為化比較試験で正しいのはどれか. 
1.観察研究である.
2.交絡因子の影響を小さくできる.
3.インフォームドコンセントは不要である.
4.因子間の相互関係を調べることが目的である.
5.診療録に記載してある過去の記録で調査できる.

解答

1.× 無作為化比較試験は介入研究である.
2.○ 正しい.
3.× 無作為化比較試験ではインフォームドコンセントが必要である.
4.× 無作為化比較試験は介入効果を明らかにすることが目的である.
5.× 無作為化比較試験は介入前後の状態を比較するため,診療録に記載してある過去の記録で調査できない.


〈第46回 PT国試 午後47〉

無作為化比較試験で誤っているのはどれか. 
1.群間で基本特性に差のないことが前提となる.
2.介入効果を明らかにすることが目的である.
3.患者の希望によって治療法を割り付ける.
4.質の高いエビデンスが期待できる.
5.高い追跡率が求められる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 無作為化比較試験は患者の希望でなくランダムに治療法を割り付ける.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第53回 PT国試 午前21〉

研究に関する用語と説明の組合せで正しいのはどれか. 
1.母集団 ――― 実際の研究の対象となるもの
2.順序尺度 ――― 重さ,長さ,時間などの物理量を表す尺度
3.名義尺度 ――― 大小関係や程度のような順位を有する尺度
4.交絡因子 ――― 2つの要因の関連をかく乱する他の因子
5.Likert尺度 ――― 階層性を持った質問などに対する回答について比率尺度

解答

1.× 標本 ――― 実際の研究の対象となるもの
2.× 比率尺度 ――― 重さ,長さ,時間などの物理量を表す尺度
3.× 順序尺度 ――― 大小関係や程度のような順位を有する尺度
4.○ 正しい.
5.× Likert尺度 ――― 一次元の属性を持った質問などに対する回答についての態度尺度


〈第46回 PT国試 午前49〉

用語の説明で誤っているのはどれか. 
1.オッズ比:ある事象の起こりやすさを示す尺度
2.第1種の過誤:棄却すべき帰無仮説を棄却しない誤り
3.メタアナリシス:複数の研究のデータを統合して全体の結論を導き出す方法
4.バイアス:曝露とアウトカムの関係を誤って評価してしまう研究デザインの不備
5.無作為化比較試験:ランダムに割り付けた対象群間で前向きに効果の差を比較する試験

解答

1.○ 正しい.
2.× 第1種の過誤:帰無仮説が実際には真であるのに棄却してしまう誤り(偽陽性)
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.