第6章 内部障害理学療法学 (02)呼吸リハビリテーション ③間質性肺疾患の理学療法

〈第59回 PT国試 午後41〉

間質性肺疾患の所見で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.湿性咳嗽を生じる.
2.拡散障害による低酸素血症を呈する.
3.呼吸機能検査で閉塞性換気障害を呈する.
4.胸部単純エックス線写真で線維化を呈する.
5.コースクラックル(coarse crackles・水泡音)を聴取する.

解答

1.× 慢性閉塞性肺疾患で湿性咳嗽を生じる.
2.○ 正しい.
3.× 間質性肺疾患の呼吸機能検査では拘束性換気障害を呈する.
4.○ 正しい.
5.× 慢性閉塞性肺疾患でコースクラックル(coarse crackles・水泡音)を聴取する.


〈第59回 PT国試 午前49〉

間質性肺疾患患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか. 
1.体位排痰法を指導する.
2.吸気筋トレーニングを指導する.
3.上肢の筋力増強運動は行わない.
4.神経筋電気刺激療法は行わない.
5.有酸素運動はSpO₂60%を目標に実施する.

解答

1.× 慢性閉塞性肺疾患患者に体位排痰法を指導する.
2.○ 正しい.
3.× 間質性肺疾患患者の上肢の筋力増強運動は行う.
4.× 間質性肺疾患患者に神経筋電気刺激療法は行う.
5.× 間質性肺疾患患者の有酸素運動はSpO₂90%を下回らないように実施する.


〈第60回 PT国試 午後14〉

75歳の男性.間質性肺疾患で入院中.安静時も頻呼吸で,頸部の呼吸補助筋活動が亢進し,吸気時の胸骨上切痕および鎖骨上窩の陥凹を認める.この患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか. 
1.気道の吸引を行う.
2.上肢の筋力増強運動を行う.
3.腹部引き込み動作の練習を行う.
4.徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う.
5.負荷を加えて吸気筋トレーニングを行う.

解答

1.× 間質性肺疾患は乾性咳嗽であり,痰はみられないため,気道の吸引は適応とならない.
2.× 頸部の呼吸補助筋活動が亢進しているため,上肢の筋力増強運動は避ける.
3.× 腹部引き込み動作は横隔膜を使った換気を促す目的だが,頻呼吸・補助筋依存の状態で,腹式呼吸は困難である.
4.○ 正しい.
5.× 安静時も頻呼吸であるため,負荷を加えずに吸気筋トレーニングを行う.


〈第60回 PT国試 午前2〉

次の文により,2,3の問いに答えよ.80歳の男性.間質性肺疾患の急性増悪で入院中.酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている.肺炎は認めないが血圧変動が大きい.理学療法で最も適切なのはどれか. 
1.咳嗽訓練
2.歩行練習
3.移乗動作練習
4.関節可動域運動
5.等尺性筋力増強運動

解答

1.× 間質性肺疾患は乾性咳嗽であり,痰はみられないため,咳嗽訓練は適応とならない.
2.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,歩行練習は困難である.
3.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,移乗動作練習は困難である.
4.○ 正しい.
5.× 人工呼吸器管理下で,血圧変動も大きいため,等尺性筋力増強運動は禁忌である.


〈第60回 PT国試 午前3〉

次の文により,2,3の問いに答えよ.80歳の男性.間質性肺疾患の急性増悪で入院中.酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている.肺炎は認めないが血圧変動が大きい.その後,人工呼吸器を離脱して気管切開孔を閉鎖したが,右肺に気胸を生じ,経鼻酸素療法中である.胸部エックス線写真を示す.この時期の理学療法で最も適切なのはどれか. 

1.酸素療法中は床上安静にとどめる.
2.呼吸理学療法手技で気胸側の胸郭を拡張させる.
3.修正Borgスケール9以上の強度で運動療法を行う.
4.呼吸筋力の低下に対して吸気筋トレーニングを行う.
5.呼吸数/一回換気量(f/TV)が150以上であれば筋力増強運動を行う.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第57回 PT国試 午前17〉

次の文により17,18の問いに答えよ.65歳の男性.間質性肺炎.労作時呼吸困難,咳を主訴に来院した.3年前から歩行時の呼吸困難が増悪した.1か月前から咳,労作時の呼吸困難の悪化を認め入院となった.入院時,心電図は洞調律.血液検査ではCRP3.1mg/dL(基準値0.3mg/dL未満),KL-6 790U/mL(基準値500U/mL未満)であった.理学療法評価では,mMRC息切れスケールはグレード3.筋力はMMT上下肢4,6分間歩行テストは200mであった.胸部CTを示す.この患者の胸部CTとして最も可能性が高いのはどれか. 

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ④蜂巣肺がみられる.
5.× 誤り.


〈第57回 PT国試 午前18〉

次の文により17,18の問いに答えよ.65歳の男性.間質性肺炎.労作時呼吸困難,咳を主訴に来院した.3年前から歩行時の呼吸困難が増悪した.1か月前から咳,労作時の呼吸困難の悪化を認め入院となった.入院時,心電図は洞調律.血液検査ではCRP3.1mg/dL(基準値0.3mg/dL未満),KL-6 790U/mL(基準値500U/mL未満)であった.理学療法評価では,mMRC息切れスケールはグレード3.筋力はMMT上下肢4,6分間歩行テストは200mであった.全身持久力トレーニングを行う場合,トレーニングを中止すべき状態はどれか.トレーニング前の所見は,血圧120/65mmHg,心拍数85/分,呼吸数19回/分,SpO₂96%,修正Borg Scale3であった.2つ選べ.

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ トレーニング前よりも血圧低下しており,めまいもあるため中止すべき状態である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 動悸がみられるため,中止すべき状態である.
5.× 誤り.