第4章 運動器障害理学療法学 (03)変形性股関節症 ②理学療法

〈第41回 PT国試 午前77〉

変形性関節症と運動療法との組合せで適切でないのはどれか. 
1.股関節症 ――― ゴムを用いた外転筋訓練
2.股関節症 ――― 重錘バンドを用いた下肢伸展挙上訓練
3.股関節症 ――― 徒手的な腸腰筋の伸張
4.膝関節症 ――― 重錘バンドを用いた大腿四頭筋訓練
5.膝関節症 ――― 徒手的なハムストリングスの伸張

解答

1.○ 正しい.
2.× 股関節症 ――― 重錘バンドを用いた下肢伸展挙上訓練は股関節内圧を高め,疼痛誘発する可能性があるため適切でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第55回 PT国試 午後15〉

46歳の女性.BMIは29.0である.両側の変形性股関節症で,股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある.理学療法で適切でないのはどれか. 
1.杖を用いた歩行練習
2.水中歩行による有酸素運動
3.背臥位での下肢筋のストレッチ
4.階段昇降による筋力増強トレーニング
5.自転車エルゴメーターでの筋持久性トレーニング

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× BMIが29.0で,荷重時の股関節痛もあるため,股関節への負担の大きい階段昇降による筋力増強訓練は避ける.
5.○ 正しい.


〈第48回 PT国試 午後15〉

46歳の女性.BMIは29である.両側の変形性股関節症で,股関節周囲の筋力低下と荷重時の股関節痛がある.理学療法で適切でないのはどれか. 
1.杖を用いた歩行訓練
2.水中歩行による有酸素運動
3.階段昇降による筋力増強訓練
4.背臥位での下肢筋のストレッチ
5.自転車エルゴメーターでの筋持久性訓練

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× BMIが29で,荷重時の股関節痛もあるため,股関節への負担の大きい階段昇降による筋力増強訓練は避ける.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第53回 PT国試 午前17〉

45歳の女性.右変形性股関節症.発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)の既往がある.1年前から荷重時の右股関節痛があり,2か月前から安静時痛も出現した.起居動作時や歩行時の疼痛が強くなってきたため受診した.ADL指導として適切なのはどれか. 
1.階段は右足から昇段する.
2.階段は左足から降段する.
3.できるだけ低い椅子に座る.
4.T字杖を使用する場合は左手に持つ.
5.左足よりも右足を手前に引いて椅子から立ち上がる.

解答

1.× 右股関節痛があるため階段は左足から昇段する.
2.× 右股関節痛があるため階段は右足から降段する.
3.× 右股関節痛があるため高めの椅子に座る.
4.○ 正しい.
5.× 右股関節痛があるため右足よりも左足を手前に引いて椅子から立ち上がる.


〈第48回 PT国試 午前28〉

変形性股関節症に対して,前方アプローチで股関節を前外側に脱臼させて人工股関節置換術を行った.術後に股関節の脱臼を最も誘発しやすい肢位はどれか. 
1.屈曲,内転,内旋
2.屈曲,外転,外旋
3.伸展,内転,外旋
4.伸展,内転,内旋
5.伸展,外転,内旋

解答

1.× 後外方アプローチによる人工股関置換術術では屈曲,内転,内旋が股関節の脱臼を最も誘発しやすい肢位である.
2.× 誤り.
3.○ 前方アプローチによる人工股関節置換術では伸展,内転,外旋が股関節の脱臼を最も誘発しやすい肢位である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第57回 PT国試 午後13〉

65歳の女性.左変形性股関節症.3年前からの左股関節痛に対して後方侵入法で人工股関節置換術を受けた.術後のエックス線写真を示す.手術後3週までの患側の理学療法で正しいのはどれか. 

1.立ち上がり動作は股関節内旋位で行う.
2.術後翌日から等尺性筋力増強練習を開始する.
3.術後3日間はベッド上安静とする.
4.術後2週は股関節を45度以上屈曲しない.
5.術後3週は免荷とする.

解答

1.× 立ち上がり動作は股関節外旋位で行う.
2.○ 正しい.
3.× 術後翌日はベッドアップ座位とし,術後2日目より端坐位・車椅子座位,立位保持を開始する.
4.× 術後は股関節を90度以上屈曲しない.
5.× 術式にもよるが,術後2~10日目で部分荷重を開始し,1~3週までに全荷重となる.


〈第45回 PT国試 午前6〉

次の文により6,7の問いに答えよ.64歳の女性.10年前から歩行時に右股関節痛を生じ,除々に増悪して歩行が困難となったため後外方アプローチによる人工股関節置換術を受けた.術前の股関節エックス線写真(A),骨盤部CT(B)および術後の股関節エックス線写真(C)を示す.術前に認められないのはどれか. 

1.骨囊胞
2.骨棘形成
3.臼蓋底の肥厚
4.特発性骨壊死
5.関節裂隙狭小化

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 変形性股関節症の術前エックス線で特発性骨壊死は認められない.
5.○ 正しい.


〈第45回 PT国試 午前7〉

次の文により6,7の問いに答えよ.64歳の女性.10年前から歩行時に右股関節痛を生じ,除々に増悪して歩行が困難となったため後外方アプローチによる人工股関節置換術を受けた.術前の股関節エックス線写真(A),骨盤部CT(B)および術後の股関節エックス線写真(C)を示す.術後の理学療法で誤っているのはどれか. 

1.術後2日の大腿四頭筋の筋力強化
2.術後3日の中殿筋の筋力強化
3.術後7日の股関節内旋可動域訓練
4.術後10日の荷重歩行訓練
5.手術創治癒後の水中歩行訓練

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 後外方アプローチによる人工股関節置換術の理学療法では,脱臼肢位である股関節内旋可動域訓練は行わない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第42回 PT国試 午前28〉

次の文により問題28,問題29に答えよ.58歳の女性.発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)で小児期にリーメンビューゲル装具で加療した.10年前から歩行時に左股関節痛があった.痛みは進行し,1年前から杖が必要となり,靴下の着脱も困難となったため手術を受けた.股関節の術前と術後のエックス線単純正面像(A,B)を示す.左股関節の術前エックス線写真の所見で認められないのはどれか. 

1.骨嚢胞
2.骨棘形成
3.関節裂隙狭小化
4.臼蓋形成不全
5.内反股

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 左股関節の術前エックス線写真の所見では外反股(頸体角の増大)が認められる.


〈第42回 PT国試 午前29〉

次の文により問題28,問題29に答えよ.58歳の女性.発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)で小児期にリーメンビューゲル装具で加療した.10年前から歩行時に左股関節痛があった.痛みは進行し,1年前から杖が必要となり,靴下の着脱も困難となったため手術を受けた.股関節の術前と術後のエックス線単純正面像(A,B)を示す.術後の理学療法で誤っているのはどれか.

1.術後2日目から中殿筋の筋力強化を行う.
2.術後3日目から全荷重を開始する.
3.術後10日目から水中運動療法を行う.
4.入院中から靴下の着脱は外旋位で行うよう指導する.
5.退院後も低いソファーに座ることを避ける.

解答

1.○ 正しい.
2.× 術式にもよるが,人工股関節置換術後2~10日目で部分荷重を開始し,1~3週までに全荷重となる.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第52回 PT国試 午前17〉

右人工股関節置換術(後方侵入)後の患者の靴下の着脱動作として正しいのはどれか.2つ選べ. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節過屈曲は脱臼する可能性があるため行わないように指導する.
2.○ 正しい.
3.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節屈曲・内転・内旋位は脱臼肢位であるため行わないように指導する.
4.○ 正しい.
5.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節過屈曲は脱臼する可能性があるため行わないように指導する.


〈第44回 PT国試 午前40〉

右変形性股関節症で人工股関節置換術を受けている.この患者に対する指導で適切なのはどれか.2つ選べ. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節屈曲・内転・内旋位は脱臼肢位であるため行わないように指導する.
2.○ 正しい.
3.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節過屈曲は脱臼する可能性があるため行わないように指導する.
4.× 人工股関節置換術後(後方侵入)において,股関節屈曲・内転・内旋位は脱臼肢位であるため行わないように指導する.
5.○ 正しい.