第61回作業療法士国家試験 午前1~50

【1】Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で正しいのはどれか.ただし,矢印は検査者が抵抗をかける方向を示す. 

1.肩屈曲
2.肩甲骨内転と下方回旋
3.肘屈曲(腕橈骨筋)
4.膝伸展
5.足底屈

解答

1.× 肩甲骨外転と上方回旋の段階5及び4の検査である.
2.○ 正しい.
3.× 肘屈曲(上腕筋)の段階5及び4の検査である.
4.× 膝伸展の段階5及び4の検査は下腿で足くびのすぐ上の前面に抵抗をかける.
5.× 足底屈の段階2の検査である.


【2】72歳の女性.右利き.突然発症した頭痛で救急搬送された.搬入時頭部CT画像を示す.この患者の症状で最も見られるのはどれか. 

1.失算
2.運動失語
3.着衣失行
4.身体部位失認
5.左半側空間失認

解答

1.○ 左角回の出血なので失算が考えられる.
2.× 運動性失語は左前頭葉の病変で生じる可能性が高い.
3.× 着衣失行は右頭頂葉の病変で出現しやすい.
4.× 身体部位失認は両側の頭頂葉後方病変,一側性の場合は左頭頂葉後方病変で生じる可能性が高い.
5.× 左半側空間無視は右頭頂葉の病変で生じる可能性が高い.


【3】54歳の男性.事務職.仕事中に胸痛と冷汗が出現し20分以上持続した.救急外来を受診し入院となった.入院時の心電図を示す.考えられる疾患はどれか. 

1.心房細動
2.急性心筋梗塞
3.心室性期外収縮
4.発作性上室頻拍
5.完全房室ブロック

解答

1.× 誤り.
2.○ ST上昇,異常Q波がみられるので心筋梗塞である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【4】22歳の男性.海に飛び込んで頭部を強打し,頸髄損傷(完全麻痺)と診断された.受傷後2週の筋力はMMTで三角筋,上腕二頭筋,腕橈骨筋は段階4.橈側手根伸筋,円回内筋,橈側手根屈筋,上腕三頭筋は段階0であった.この患者の残存機能を活用した食事動作の支援用具はどれか. 

1.PSB
2.万能カフ
3.ポケット付き手関節伸展保持装具
4.食事ロボット
5.太柄スプーン

解答

1.× PSBはC5A機能残存レベルで適応となる.
2.× 万能カフはC6機能残存レベルで適応となる.
3.○ C5Bなのでポケット付き手関節伸展保持装具が適応となる.
4.× 食事ロボットはC4より上位の機能残存レベルで適応となる.
5.× 太柄スプーンはC7より下位の機能残存レベルで適応となる.


【5】50歳の女性.脳梗塞後左片麻痺.左上肢の運動を指示したところ,肩関節は屈曲が肘伸展位で頭上まで挙げられ,外転は肘伸展位で100度可能であった.手指は,対向つまみと指の集団進展が可能であった.Brunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか. 
1.上肢Ⅲ ――― 手指Ⅲ
2.上肢Ⅲ ――― 手指Ⅳ
3.上肢Ⅳ ――― 手指Ⅳ
4.上肢Ⅴ ――― 手指Ⅳ
5.上肢Ⅴ ――― 手指Ⅴ

解答

1.× 上肢Ⅲ:座位で肩・肘の同時屈曲,伸展 ――― 手指Ⅲ:全指同時握り,鈎形握り
2.× 上肢Ⅲ:座位で肩・肘の同時屈曲,伸展 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
3.× 上肢Ⅳ:腰の後方へ手をつける,肘伸展位で上肢を前方水平へ挙上,肘90°屈曲位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
4.× 上肢Ⅴ:肘伸展位で上肢を横水平へ挙上,または前方頭上へ挙上,肘伸展位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
5.○ 上肢Ⅴ:肘伸展位で上肢を横水平へ挙上,または前方頭上へ挙上,肘伸展位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅴ:対向つまみ,筒握り,球握り,随意的な手指伸展


【6】60歳の男性.右利き.2か月前に右中大脳動脈領域の脳梗塞を発症.Brunnstrom法ステージは左上肢Ⅳ,手指Ⅴ,下肢Ⅵ.認知機能・言語機能・移動能力に著明な問題はない.現在は外来リハビリテーション治療を継続中であり,1か月後の職場復帰を希望している.発症前は会社勤務でパソコンによる経理作業に従事していた.職場復帰に向けた対応で最も適切なのはどれか. 
1.配置転換を求める.
2.通勤手段を確認する.
3.集中的なADL訓練を行う.
4.主治医の診断書があれば復職できると伝える.
5.左手の運動機能が改善してから復職を検討する.

解答

1.× Brunnstrom法ステージは左上肢Ⅳ・手指Ⅴなので病前の部門での復職を支援する.
2.○ Brunnstrom法ステージは下肢Ⅵ,認知機能・言語機能・移動能力に著明な問題はないので通勤手段を確認する.
3.× 認知機能・言語機能・移動能力に著明な問題はないので集中的な復職訓練を行う.
4.× 主治医の診断書は復職の確約とはならない.
5.× unnstrom法ステージは左上肢Ⅳ・手指Ⅴ,認知機能・言語機能・移動能力に著明な問題はないので復職支援を実施する.


【7】30歳の女性.右上腕切断標準断端.上腕義手は差し込み式ソケット,8字ハーネス,複式コントロールケーブルシステム,随意開き式能動フックで構成されている.適合判定の際,肘90度屈曲位で手先具が完全には開かなかった.原因で最も考えられるのはどれか. 
1.フックのゴムが弱い.
2.ケーブルハウジングが短すぎる.
3.残存肢の肩甲帯の筋力が低下している.
4.前腕支持部のトリミングが不良である.
5.切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある.

解答

1.× フックのゴムが強すぎるのが原因である.
2.× ケーブルハウジングが長すぎるのが原因である.
3.○ 正しい.
4.× 前腕支持部のトリミングの不良は関係ない.
5.× 切断肢の肩関節の屈曲可動域の制限が原因である.


【8】5歳の男児.重症心身障害児施設に入所している.四肢に強い筋緊張があり,重度の側弯症もある.言語による意思表示は困難であり,食事は経管栄養である.作業療法士がこの児に対して最初にすべき日常生活の基礎づくりで最も適切なのはどれか. 
1.飲水訓練を開始する.
2.複雑な課題を自力で行わせる.
3.座位ポジショニングを実施する.
4.言語訓練を中心にアプローチする.
5.他児との交流を通じて社会性を養う.

解答

1.× 食事は経管栄養なので飲水訓練は日常生活の基礎づくりとして適切でない.
2.× 言語による意思表示は困難なので複雑な課題を自力で行わせるのは適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 言語による意思表示は困難なので言語訓練を中心としたアプローチは適切でない.
5.× 言語による意思表示は困難なので他児との交流を通じて社会性を養うのは適切でない.


【9】70歳の男性.右利き.脳梗塞後の右片麻痺.歩行はできないが車椅子移動が自力でできる.車椅子への移乗は自立している.食事,整容動作は自助具を用いて自力で可能である.入浴動作は一部介助が必要である.Barthel Indexの得点が10点と採点される項目はどれか. 
1.食事
2.整容
3.入浴
4.移動
5.椅子とベッド間の移乗

解答

1.○ 食事は自助具を用いて自力で可能:10点
2.× 整容は自助具を用いて自力で可能:5点
3.× 入浴は一部介助が必要:0点
4.× 車椅子移動は自力でできる:5点
5.× 椅子とベッド間は自力でできる:15点


【10】実習前の初回面接のロールプレイである.設定患者は76歳の女性.脳梗塞発症後3か月.右片麻痺.Brunnstrom法ステージは右上肢Ⅴ,手指Ⅴ,下肢Ⅵ.現在は回復期リハビリテーション病棟に入院中.杖歩行は可能.退院後は一人暮らしを予定している.学生(あなた)は初回面接で,「どのような生活を送りたいか」,「日常生活で困っていること」,「最近の楽しみ」などを質問したが,対象者は「今は入院生活で退屈.早く帰りたい」とだけ答えた.この面接場面から,次に行う作業療法評価で最も適切なのはどれか. 
1.痛みの程度を確認する.
2.生活行為への関心を把握する.
3.他職種を同席させた面接を計画する.
4.言語機能に問題があるかどうかを確認する.
5.面接ではなくアンケートでの情報収集を検討する.

解答

1.× 痛みの所見がないので疼痛評価は必要ない.
2.○ 対象者の発言から生活行為への関心を把握し作業療法プログラムを立案する.
3.× 作業療法プログラムが進行した段階で他職種を同席させた面接も計画する.
4.× 言語機能障害の所見がないので言語機能評価は必要ない.
5.× 作業療法プログラムが進行した段階で評価表による情報収集を実施する.


【11】次の文により11,12の問いに答えよ.65歳の男性.喫煙歴40年.最近,階段を昇ると強い息切れを感じるようになり受診.FEV₁:1.2L,%VC:82%,FEV₁/FVC:55%,SpO₂:95%(安静時),mMRCスケールはGrade2であった.日中は自宅で過ごすことが多く,洗濯や簡単な料理などは自分で行っている.この患者に当てはまる疾患で最も適切なのはどれか. 
1.COPD
2.肺線維症
3.肺結核後遺症
4.原発性肺高血圧症
5.Duchenne型筋ジストロフィー

解答

1.○ FEV₁/FVC:55%,%VC:82%,喫煙歴40年.強い息切れからCOPDが疑われる.
2.× %VC:82%から拘束性換気障害を呈する肺線維症は考えにくい.
3.× %VC:82%から拘束性換気障害を呈する肺結核後遺症は考えにくい.
4.× 強い息切れはあるが,SpO₂正常値,胸痛・喀血・チアノーゼがみられていないので原発性肺高血圧症は考えにくい.
5.× %VC:82%から拘束性換気障害を呈するDuchenne型筋ジストロフィーは考えにくい.


【12】次の文により11,12の問いに答えよ.65歳の男性.喫煙歴40年.最近,階段を昇ると強い息切れを感じるようになり受診.FEV₁:1.2L,%VC:82%,FEV₁/FVC:55%,SpO₂:95%(安静時),mMRCスケールはGrade2であった.日中は自宅で過ごすことが多く,洗濯や簡単な料理などは自分で行っている.この患者へのADL指導で最も適切なのはどれか. 
1.洗髪動作は両手で行う.
2.食事の際にはPSBを使用する.
3.洗体時にはハンドタオルの使用を勧める.
4.動作時の口すぼめ呼吸の実施を指導する.
5.呼吸困難を認めればベッド上で過ごすように助言する.

解答

1.× 洗髪動作は片手で行う.
2.× 洗濯や簡単な料理などは自分で行っているのでPSBは必要ない.
3.× 洗体時には長いタオルの使用を勧める.
4.○ 正しい.
5.× 呼吸困難を認めれば椅子座位で過ごすように助言する.


【13】72歳の女性.右利き.左被殻出血後6週が経過した.現在,回復期リハビリテーション病棟に入院中である.Brunnstrom法ステージは右上肢Ⅲ,手指Ⅱ,下肢Ⅳであり,座位保持は自立している.言語理解と発語に問題はない.食事動作はFIMで6,更衣(上半身)は3であった.興味関心チェックシートでは「料理」や「園芸」への関心が示されていた.作業療法で最も適切なのはどれか. 
1.集団活動を導入する.
2.利き手交換訓練を行う.
3.上肢の機能回復を優先する.
4.食事動作訓練を積極的に行う.
5.園芸は退院後の課題と位置づける.

解答

1.× 左被殻出血後6週,右上肢・手指のBrunnstrom法ステージから回復段階にあるので個別訓練を優先する.
2.○ 更衣がFIMで3,料理や園芸に関心があるので利き手交換訓練も行いながらADL獲得を目指す.
3.× 更衣がFIMで3,料理や園芸に関心があるので上肢の機能回復訓練を実施しながらADL獲得を優先する.
4.× 食事動作はFIMで6点なので他のADL獲得を優先する.
5.× 園芸に関心があるので入院中から訓練を実施する.


【14】45歳の男性.会社員.入社以来,職場で問題はなかった.3か月前に職場で上司との関係が悪化したのを契機に不眠になり,次第に抑うつ気分,意欲低下,体重低下,自殺念慮が出現したため入院した.入院1か月が経過し,作業療法が開始された.この患者の症状を評価する尺度で最も適切なのはどれか. 
1.LASMI
2.NPI
3.PANSS
4.SDS
5.SF-36

解答

1.× LASMIは統合失調症の慢性期の包括的な生活障害評価である.
2.× NPIは認知症のBPSD評価である.
3.× PANSSは統合失調症の陽性・陰性症状評価尺度である.
4.○ 正しい.
5.× SF-36は包括的QOL評価尺度である.


【15】28歳の男性.適応反応症(適応障害).大学院を修了後,研究職に就職し仕事も順調だった.1か月前に上司が異動し,部署の管理方法が変わったことで仕事がうまくいかなくなった.2週前から仕事のことを考えると不安で落ち着かず,不眠になり精神科を受診した.薬物療法が開始され,3か月の休職,自宅療養を指示された.数週経っても抑うつ気分が改善せず,外来作業療法が処方された.導入時に作業療法士が最優先して聴取するのはどれか. 
1.親との関係
2.休職中の収入
3.職場の人的環境
4.寝室のレイアウト
5.学生時代の就労経験

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 上司が異動し部署の管理方法が変わったことをきっかけに症状がみられているので,職場の人的環境を最優先して聴取する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【16】小学3年生の男児.知能検査では全般的な知的発達に遅れは認めない.1年生のころから読み書きに強い困難を抱えている.文章を読む際に流暢に正しく読むことが難しく,音読が極端に遅い.漢字の書き取りも苦手で,黒板の文字の書き写しに時間がかかる.保護者は「家では普通に会話もでき,計算などは問題ない」と話している.この患児の障害で最も考えられるのはどれか. 
1.素行症(素行障害)
2.反抗挑発症(反抗挑戦性障害)
3.限局性学習症(限局性学習障害)
4.脱抑制型対人交流症(脱抑制性愛着障害)
5.反応性アタッチメント症(反応性愛着障害)

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 全般的な知的発達にはなく読み書きに強い困難を抱えているので限局性学習症(限局性学習障害)が疑われる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【17】27歳の男性.統合失調症.大学卒業後,アルバイト経験はあるが,短期間での離職を繰り返している.最近,主治医の指示で精神化デイケアに通所し,就労に向けて準備を進めることになった.デイケアでは,作業に関する質問ができず,一方的に他患に話すなどの様子が見られた.この患者に行うプログラムで最も適切なのはどれか. 
1.ACT
2.IPS
3.NEAR
4.SST
5.TEACCH

解答

1.× ACTは包括的地域支援プログラムである.
2.× IPSは個別就労支援サービスである.
3.× NEARは統合失調症患者などに対する認知機能訓練(記憶力・注意力に対するプログラム)である.
4.○ 正しい.
5.× TEACCHは自閉症および関連領域のコミュニケーションに障害を持つ子どものための治療と教育である.


【18】16歳の女子.中学時代にダイエットに成功し周囲に認められたと感じた.その後,進路相談で高い目標を設定をして過食嘔吐が増強した.志望校に入学後,るいそうが進行して5月に校内で倒れ,救急搬送された.入院1か月後に身体状態が改善し,作業療法が開始された.作業療法で「気分転換したい」「過食嘔吐をなくしたい」と希望した.導入時の作業療法のプログラムで最も適切なのはどれか. 
1.院外をウォーキングする.
2.集団作業療法から導入する.
3.完成作品の改善点を話し合う.
4.食品の正しい知識を勉強する.
5.アイロンビーズでコースターを作成する.

解答

1.× 導入時は簡単軽作業から導入する.
2.× 他者評価を気にするので導入時は個別作業療法から導入する.
3.× 他者評価を気にするので完成作品の改善点の話し合いはしない.
4.× 導入時に食品に関することは衝動的行動に繋がる危険性があるので話題にしない.
5.○ 正しい.


【19】72歳の女性.元来多趣味で,特にパッチワークの小物作りに熱心であった.半年ほど前から物忘れがひどくなり,日常生活に支障をきたすようになった.最近は,食事もせずに抑うつ的な行動が多くなったため,精神科で入院治療を受けることになった.入院時のHDS-Rは17点であった.入院3週目より食事がとれるようになり作業療法が開始された.導入時の作業療法で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.作業の全工程をまとめて説明する.
2.休憩の時間管理は作業療法士が行う.
3.パッチワークの小物作りを実施する.
4.複数の作業療法士が交替で担当する.
5.活動中の参加メンバーとの交流を制限する.

解答

1.× 作業の全工程を段階ごとに順番に説明する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 担当作業療法士を固定して対応する.
5.× 活動中の参加メンバーとの交流を促す.


【20】28歳の男性.営業職.上司からのハラスメントでうつ状態になり,退職して1か月の入院治療を受けた.退院後,就労準備を目的とした外来作業療法が指示された.導入時評価では,無気力ながらも対人関係は良好で,高い作業能力が認められるが,就労に対し強い不安を訴えた.この時点の外来作業療法で優先すべきなのはどれか. 
1.再発防止プランの作成
2.社会生活技能訓練への導入
3.就労移行支援事業所への紹介
4.認知リハビリテーションの実施
5.単純な軽作業プログラムへの導入

解答

1.○ 上司からのハラスメントが原因で就労に対し強い不安を訴えているので再発防止プランの作成を優先する.
2.× 対人関係は良好で高い作業能力が認められるので社会生活技能訓練への導入は必要ない.
3.× 対人関係は良好で高い作業能力が認められるので就労移行支援事業所への紹介は必要ない.
4.× 対人関係は良好で高い作業能力が認められるので認知リハビリテーションは必要ない.
5.× 対人関係は良好で高い作業能力が認められるので単純な軽作業プログラムへの導入は必要ない.


【21】介護保険法に基づく介護サービスにおいて,作業療法士の配置が明記されているのはどれか.2つ選べ. 
1.グループホーム
2.介護老人保健施設
3.地域密着型通所介護
4.特別養護老人ホーム
5.通所リハビリテーション

解答

1.× 誤り.
2.○ 介護保険法に基づく介護サービスにおいて,作業療法士の配置が明記されているのは介護老人保健施設,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションである.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 介護保険法に基づく介護サービスにおいて,作業療法士の配置が明記されているのは介護老人保健施設,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションである.


【22】作業療法に関する歴史で誤っているのはどれか. 
1.Jean Ayresは感覚統合を考案した.
2.Philippe Pinelは道徳療法を始めた.
3.Adolf Meyerは再建療法を確立させた.
4.高木憲次は肢体不自由児の療育を確立させた.
5.呉秀三は精神科医療における病院開放化を行った.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× Adolf Meyerは精神障害を「生活の障害」と捉え,作業が作業療法の枠組みであると提唱した.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


【23】臨床研究に関する倫理指針で正しいのはどれか. 
1.個人情報は誰でも閲覧できる.
2.死者に係る情報は対象である.
3.侵襲に薬物投与は含まれない.
4.研究参加中は止めることができない.
5.守秘義務は研究終了後に解除される.

解答

1.× 個人情報は被験者の同意を得た者のみ閲覧できる.
2.○ 正しい.
3.× 侵襲に薬物投与は含まる.
4.× 研究参加中でも止めることができる.
5.× 守秘義務は研究終了後も維持される.


【24】革細工で使用する道具はどれか.2つ選べ. 
1.切弓
2.整経台
3.モデラ
4.たたら板
5.スーベルカッター

解答

1.× 切弓は陶芸で使用する道具である.
2.× 整経台は織物で使用する道具である.
3.○ 正しい.
4.× たたら板は陶芸で使用する道具である.
5.○ 正しい.


【25】インシデントレポートで正しいのはどれか. 
1.部署の管理者が報告する.
2.医師の指示に基づき報告する.
3.スタッフ間の伝達ミスは報告対象である.
4.治療の必要がない事象は報告不要である.
5.当事者が十分に反省していたら報告不要である.

解答

1.× インシデントレポートは発見者または当事者が報告する.
2.× インシデントレポートは医療安全対策マニュアルに基づき報告する.
3.○ 正しい.
4.× インシデントレポートは治療の必要がない事象も報告が必要である.
5.× インシデントレポートは反省文ではないので事象が発生したら報告する.


【26】社会保障制度における公的扶助はどれか. 
1.医療保険
2.児童福祉
3.生活保護
4.年金制度
5.母子保健

解答

1.× 医療保険は社会保障制度における社会保険制度である.
2.× 児童福祉は社会保障制度における社会福祉制度である.
3.○ 正しい.
4.× 年金制度は社会保障制度における社会保険制度である.
5.× 母子保健は社会保障制度における公衆衛生制度である.


【27】長期臥床後,離床開始時に注意すべき血液検査所見はどれか. 
1.Dダイマー
2.血糖値
3.白血球数
4.アルブミン
5.クレアチニン

解答

1.○ 正しい.
2.× 血糖値は糖尿病に注意すべき血液検査所見である.
3.× 白血球数は感染症に注意すべき血液検査所見である.
4.× アルブミンは低栄養に注意すべき血液検査所見である.
5.× クレアチニンは腎機能障害に注意すべき血液検査所見である.


【28】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準1995年)で正しいのはどれか. 
1.角度は1度刻みで記載する.
2.股関節伸展は仰臥位で行う.
3.自動運動による測定を行う.
4.足関節は膝関節を屈曲位で行う.
5.手指PIP関節の基本軸は中節骨である.

解答

1.× 関節可動域測定法の角度は5度刻みで記載する.
2.× 股関節伸展は腹臥位で行う.
3.× 関節可動域測定法は原則として他動運動による測定を行う.
4.○ 正しい.
5.× 手指PIP関節の基本軸は基節骨である.


【29】作業療法の目標設定で最も適切なのはどれか. 
1.抽象的に設定する.
2.一度設定したら変更しない.
3.患者の価値観を反映させる.
4.標準的な病期対応に一致させて決定する.
5.復職は機能改善が得られてから設定する.

解答

1.× 具体的に設定する.
2.× 設定したら進捗状況によって変更していく.
3.○ 正しい.
4.× 患者の治療状況に応じて決定する.
5.× 復職は治療状況に応じて設定する.


【30】FIMの移乗の評価で正しいのはどれか. 
1.4種の評価項目がある.
2.手すりの使用で自立は5点となる.
3.ベッド上の起き上がり動作を含む.
4.往復で点数が異なる場合は高い方で採点する.
5.浴槽への移乗には浴室の入り口から浴槽までの移動を含む.

解答

1.× FIMの移乗はベッド・椅子・車椅子,トイレ,浴槽・シャワーの3種の評価項目がある.
2.× FIMの移乗は手すりの使用で自立は6点となる.
3.○ 正しい.
4.× FIMの移乗は往復で点数が異なる場合は低い方で採点する.
5.× 浴室の入り口から浴槽までの移動は移動の項目で採点されるので,浴槽への移乗には含まれない.


【31】MTDLPで正しいのはどれか. 
1.機能訓練の実施を目的とする.
2.活動性が低い人は対象外である.
3.導入前には必ず認知機能検査を行う.
4.訪問リハビリテーションでは活用できない.
5.社会適応プログラムは環境因子に関するアプローチで構成する.

解答

1.× MTDLPは生活行為全般の向上を目的とする.
2.× MTDLPは活動性が低い人も対象である.
3.× MTDLPの導入前に認知機能検査必須でない.
4.× MTDLPは訪問リハビリテーションでも活用できる.
5.○ 正しい.


【32】出血性ショックを合併するリスクが最も高いのはどれか. 
1.橈骨遠位端骨折
2.腰椎圧迫骨折
3.骨盤骨折
4.大腿骨頸部骨折
5.足関節骨折

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 骨盤内には内腸骨動脈など多くの血管があるので,骨盤骨折は出血性ショックを合併するリスクが高い.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【33】心不全の症状はどれか. 
1.多尿
2.高血圧
3.下腿浮腫
4.羽ばたき振戦
5.チェーン・ストークス呼吸

解答

1.× 乏尿が心不全の症状である.
2.× 低血圧が心不全の症状である.
3.○ 正しい.
4.× 羽ばたき振戦はアルコール離脱せん妄やウィルソン病などでみられる.
5.× チェーン・ストークス呼吸は心不全,尿毒症,脳腫瘍,脳出血などでみられる.


【34】慢性腰痛に対する生活指導で最も適切なのはどれか. 
1.安静にする.
2.踵の高い靴を履く.
3.持続的作業は中腰で行う.
4.正座よりもあぐら座位を勧める.
5.重い荷物は体に近づけて持ち上げる.

解答

1.× 慢性腰痛は疼痛の自制内で活動するよう指導する.
2.× 慢性腰痛では踵の高い靴は過度に腰椎前弯を増強するので履かないよう指導する.
3.× 慢性腰痛では作業中に定期的に腰背部のストレッチなどをするよう指導する.
4.× 慢性腰痛ではあぐら座位よりも正座を勧める.
5.○ 正しい.


【35】注意欠如多動症(注意欠如・多動性障害)児と比較し,自閉症スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)児の特徴はどれか. 
1.他児とよく遊ぶ.
2.物をよくなくす.
3.待つことができない.
4.すぐに他のことを始める.
5.いつもと違う道を通るとパニックになる.

解答

1.× 他児とよく遊ぶのは自閉症スペクトラム症児と比較した注意欠如多動症児の特徴である.
2.× 物をよくなくすのは自閉症スペクトラム症児と比較した注意欠如多動症児の特徴である.
3.× 待つことができないのは自閉症スペクトラム症児と比較した注意欠如多動症児の特徴である.
4.× すぐに他のことを始めるのは自閉症スペクトラム症児と比較した注意欠如多動症児の特徴である.
5.○ 正しい.


【36】上肢装具と目的の組合せで正しいのはどれか. 
1.ウェブスペーサ ――― 母指外転筋短縮予防
2.Thomasスプリント ――― 手関節中間位固定
3.指用ナックルベンダー ――― PIP関節屈曲補助
4.肘屈曲型アームスリング ――― 肩関節外転位保持
5.フレクサーヒンジ・スプリント ――― 手関節屈曲機能を利用した把持動作

解答

1.× ウェブスペーサ ――― 母指掌側外転位保持
2.× Thomasスプリント ――― 手関節背屈位固定
3.○ 正しい.
4.× 肩関節外転内転中間位保持
5.× フレクサーヒンジ・スプリント ――― 手関節背屈機能を利用した把持動作


【37】多発性硬化症で正しいのはどれか. 
1.女性に多い.
2.高体温で症状が改善する.
3.低緯度地域で有病率が高い.
4.Phalenテストが陽性となる.
5.免疫不全状態で発症しやすい.

解答

1.○ 正しい.
2.× 多発性硬化症は高体温で症状が悪化する.
3.× 多発性硬化症は高緯度地域で有病率が高い.
4.× 手根管症候群でPhalenテストが陽性となる.
5.× 多発性硬化症は自己免疫が原因で発症しやすい.


【38】関節リウマチで正しいのはどれか. 
1.滑膜細胞が増殖する.
2.渦流浴は禁忌である.
3.家事の実施は午前中が良い.
4.股関節などの大関節に初発する.
5.疼痛に対して装具は使用しない.

解答

1.○ 正しい.
2.× 関節リウマチに渦流浴は適応する.
3.× 関節リウマチの家事の実施は午後が良い.
4.× 関節リウマチは小関節に初発する.
5.× 関節リウマチは疼痛に対して装具を使用する.


【39】筋電義手で正しいのはどれか. 
1.小児には使用しない.
2.作業用手先具はない.
3.能動義手に比べて把持力が強い.
4.前腕義手にはハーネスが必要である.
5.前腕義手より上腕義手の症例が多い.

解答

1.× 筋電義手は小児にも適応がある.
2.× 筋電前腕義手には作業用手先具がある.
3.○ 正しい.
4.× 筋電前腕義手にはハーネスは不要である.
5.× 筋電義手では上腕義手より前腕義手の症例が多い.


【40】心理検査と評価内容の組合せで適切なのはどれか. 
1.P-Fスタディ ――― 認知機能
2.Rorschachテスト ――― 自己効力感
3.TAT ――― 認知症介護度負担度
4.WCST ――― 自我状態
5.内田・クレペリン精神検査 ――― 性格・行動面の特徴

解答

1.× P-Fスタディ ――― 人格
2.× Rorschachテスト ――― 人格
3.× TAT ――― 人格
4.× WCST ――― 遂行機能
5.○ 正しい.


【41】うつ病患者が訴えることのある妄想で,最も考えられるのはどれか. 
1.「この機械は自分が発明した」
2.「自分は貴族の末裔だから偉大である」
3.「知らない人にいつも見張られている」
4.「自分は生きているだけで迷惑をかけている」
5.「自分はいつも他の患者から嫌がらせを受けている」

解答

1.× 「この機械は自分が発明した」は躁病の発明妄想である.
2.× 「自分は貴族の末裔だから偉大である」は躁病の血統妄想である.
3.× 「知らない人にいつも見張られている」は統合失調症の注察妄想である.
4.○ 「自分は生きているだけで迷惑をかけている」はうつ病の罪業妄想である.
5.× 「自分はいつも他の患者から嫌がらせを受けている」は統合失調症の迫害妄想である.


【42】成人期において精神年齢が12歳なのはどれか. 
1.境界知能(境界レベル)
2.軽度知的障害
3.中等度知的障害
4.重度知的障害
5.最重度知的障害

解答

1.× 誤り.
2.○ 軽度知的障害は成人期において精神年齢が概ね9歳から12歳相当である.
3.× 中等度知的障害は成人期において精神年齢が概ね6歳から9歳相当である.
4.× 重度知的障害は成人期において精神年齢が概ね3歳から6歳相当である.
5.× 最重度知的障害は成人期において精神年齢が概ね3歳未満である.


【43】BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)はどれか. 
1.失行
2.失認
3.抑うつ
4.記憶障害
5.見当識障害

解答

1.× 失行は認知症の中核症状である.
2.× 失認は認知症の中核症状である.
3.○ 正しい.
4.× 記憶障害は認知症の中核症状である.
5.× 見当識障害は認知症の中核症状である.


【44】統合失調症の服薬アドヒアランス(服薬遵守)を低下させるのはどれか. 
1.内服薬の種類を減らす.
2.1日の服薬回数を増やす.
3.治療の目標を患者と話し合う.
4.副作用の出現を確認して対応する.
5.長時間作用型注射製剤(デポ剤)を使用する.

解答

1.○ 内服薬の種類を減らすと服薬アドヒアランスは向上する.
2.× 誤り.
3.○ 治療の目標を患者と話し合うと服薬アドヒアランスは向上する.
4.○ 副作用の出現を確認して対応すると服薬アドヒアランスは向上する.
5.○ 長時間作用型注射製剤(デポ剤)を使用すると服薬アドヒアランスは向上する.


【45】うつ病の急性期における治療で正しいのはどれか. 
1.心理教育を行う.
2.自殺念慮は話題にしない.
3.レクリエーションに積極的に参加させる.
4.退職などの重要な問題に関する決断を促す.
5.症状が改善したら,抗うつ薬の内服は直ちに中止させる.

解答

1.○ 正しい.
2.× 自殺しないよう約束してもらう.
3.× できる限り休養することを勧める.
4.× 退職などの重要な問題に関する決断は延期するように促す.
5.× 症状が改善しても抗うつ薬の内服は継続する.


【46】PTSDに対する作業療法で適切なのはどれか. 
1.認知行動療法は無効である.
2.外傷体験の直後は詳しく体験を聞き取る.
3.集団の中で体験を語り合うことは避ける.
4.心的外傷体験の一般的な心理反応を説明する.
5.心理的動揺がある程度収まってから心理的応急処置を実施する.

解答

1.× PTSDに認知行動療法は有効である.
2.× 外傷体験直後に詳しく体験を聞き取るのは避ける.
3.× 能動的に話せるようになったら,集団の中で体験を語り合うことも重要である.
4.○ 正しい.
5.× 外傷体験直後は,直ちに心理的応急処置を実施する.


【47】注意欠如多動症(注意欠如・多動性障害)患者に対する支援で,正しいのはどれか. 
1.うつ病の併存に注意する.
2.薬物療法は20歳未満の患者には行わない.
3.作業中は,患者との間で作業と無関係な雑談を心がける.
4.1日の予定の優先順位にはこだわらないように説明する.
5.スマートフォンのスケジュール管理機能の使用は禁止する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 注意欠如多動症患者の薬物療法は20歳未満の患者にも行う.
3.× 注意欠如多動症患者の作業中は,患者との間で作業と無関係な雑談は控える.
4.× 注意欠如多動症患者には1日の予定の優先順位を決めるよう説明する.
5.× 注意欠如多動症患者にスマートフォンのスケジュール管理機能の使用を勧める.


【48】就労経験がある60歳の精神障害者で,雇用契約に基づく就労が体力的に難しい場合に,就労の機会を提供するサービスはどれか. 
1.就労定着支援事業
2.就労移行支援事業
3.就労継続支援A型事業
4.就労継続支援B型事業
5.自立訓練事業

解答

1.× 就労定着支援事業は就職後7か月目から就職後3年6か月目まで利用可能(利用期間は1年ごとの更新で最長3年間)で,障がいのある方が就労先の労働環境や業務内容に順応し長く働き続けられるよう支援する.
2.× 就労移行支援事業は一般企業への就職を目指す障害のある18~65歳未満の者が対象で,利用期間は2年間で雇用契約・賃金支給がない.
3.× 就労継続支援A型事業は18~65歳未満の者が対象で,利用期間の制限はなく雇用契約・賃金支給がある.
4.○ 就労継続支援B型事業は対象年齢・利用期間に制限がなく,雇用契約はあるが賃金支給はない.
5.× 自立訓練事業は生活能力の維持・向上などの支援が必要な18~65歳未満の者が対象で,利用期間は原則2年間である.


【49】精神障害の就労支援で正しいのはどれか. 
1.ジョブコーチから職業紹介を受けることができる.
2.精神障害者の法定雇用率は2%と規定されている.
3.就労継続支援A型事業所は2年の利用期限がある.
4.障害特性に応じた合理的配慮を事業主と検討できる.
5.事業主に対する支援としてジョブガイダンスがある.

解答

1.× ジョブコーチから職業紹介を受けることはできない.
2.× 障害者の法定雇用率は2.7%(2026年7月~)と規定されている.
3.× 就労継続支援A型事業所に利用期限はない.
4.○ 正しい.
5.× 求職中の精神障害者に対して支援としてジョブガイダンスがある.


【50】質問紙のうち開かれた質問はどれか.2つ選べ. 
1.「痛みますか」
2.「今日はいかがですか」
3.「お住まいはどこですか」
4.「痛みについて詳しく説明してください」
5.「それは前ですか.後ろですか.全体ですか」

解答

1.× 「痛みますか」は閉じた質問法である.
2.○ 正しい.
3.× 「お住まいはどこですか」は重点的質問法である.
4.○ 正しい.
5.× 「それは前ですか.後ろですか.全体ですか」は多項目質問法である.


 | 【OT国試過去問】 | 午前51~100