第5章 内臓系 (01)呼吸器 ③呼吸生理

〈第47回 PT国試・OT国試 午前65〉

呼吸生理について誤っているのはどれか. 
1.強い不安があると呼吸は促進される.
2.O₂の運搬は酸化ヘモグロビンが行う.
3.嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する.
4.血中CO₂分圧が増加すると呼吸が抑制される.
5.呼吸中枢は吸息中枢と呼息中枢とに分かれている.

解答

1.○ 正しい.
2.× O₂の運搬は赤血球が行う.
3.○ 正しい.
4.× 血中CO₂分圧が増加すると呼吸が促進される.
5.○ 正しい.


〈第37回 PT国試・OT国試 午後29〉

呼吸生理について誤っているのはどれか. 
1.呼吸中枢は,吸息中枢と呼息中枢とに分かれている.
2.血中CO₂分圧増加は呼吸を促進させる.
3.嚥下反射が起こっているときは呼吸が一時止まる.
4.O₂の運搬は酸化ヘモグロビンが行う.
5.過換気ではCO₂の呼出が多くなり,呼吸性アシドーシスを呈する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× O₂の運搬は赤血球が行う.
5.× 過換気ではCO₂の呼出が多くなり,呼吸性アルカローシスを呈する.


〈第41回 PT国試・OT国試 午後29〉

呼吸調節のメカニズムで正しいのはどれか. 
1.呼吸中枢は中脳にある.
2.中枢性化学受容野は橋にある.
3.中枢性化学受容野はO₂センサーとして働く.
4.末梢性化学受容器は頸動脈にある.
5.肺伸展受容器刺激は吸気促進に作用する.

解答

1.× 呼吸中枢は延髄にある.
2.× 中枢性化学受容野は延髄にある.
3.× 中枢性化学受容野はCO₂(pH)センサーとして働く.
4.○ 正しい.
5.× 肺伸展受容器刺激は吸気抑制に作用する.


〈第60回 PT国試・OT国試 午前64〉

呼吸の調節機構で正しいのはどれか. 
1.呼吸中枢は視床下部にある.
2.末梢の化学受容器は椎骨動脈にある.
3.横隔膜や肋間筋は随意的に収縮できない.
4.末梢の化学受容器は酸素分圧の上昇により興奮する.
5.肺の伸展受容器の興奮は迷走神経を介して呼吸中枢に伝わる.

解答

1.× 呼吸中枢は延髄にある.
2.× 末梢の化学受容器は頸動脈と大動脈にある.
3.× 横隔膜や肋間筋は随意的に収縮できる.
4.× 末梢の化学受容器は酸素分圧の低下により興奮する.
5.○ 正しい.


〈第55回 PT国試・OT国試 午前64〉

呼吸生理の説明で正しいのはどれか. 
1.呼吸中枢は視床下部にある.
2.外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する.
3.内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう.
4.動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる.
5.頸動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい.

解答

1.× 呼吸中枢は延髄にある.
2.× 外肋間筋は安静呼吸の吸気筋として作用する.
3.× 外呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう.
4.○ 正しい.
5.× 頸動脈小体は動脈血二酸化炭素分圧よりも動脈血酸素分圧の変化を感知しやすい.


〈第38回 PT国試・OT国試 午後26〉

呼吸について正しいのはどれか. 
1.呼吸中枢は視床下部にある.
2.横隔膜は脳神経の支配である.
3.吸気時に横隔膜は上昇する.
4.強制呼気では腹筋群が活動する.
5.血中炭酸ガス分圧の上昇は呼吸を促進する.

解答

1.× 呼吸中枢は延髄にある.
2.× 横隔膜は横隔神経(第3~5頸髄)支配である.
3.× 吸気時に横隔膜は下降する.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第59回 PT国試・OT国試 午後63〉

呼吸の生理で正しいのはどれか. 
1.呼気時に横隔神経の活動電位が生じる.
2.迷走神経が亢進すると気道抵抗は低下する.
3.肺コンプライアンスが増加すると機能的残気量は減少する.
4.pHが上昇すると酸素はヘモグロビンから解離しやすくなる.
5.呼吸商は単位時間あたりの二酸化炭素産生量と酸素消費量の比である.

解答

1.× 吸気時に横隔神経の活動電位が生じる.
2.× 迷走神経が亢進すると気道抵抗は上昇する.
3.× 肺コンプライアンスが増加すると機能的残気量は増加する.
4.× pHが低下すると酸素はヘモグロビンから解離しやすくなる.
5.○ 正しい.


〈第58回 PT国試・OT国試 午後72〉

安静呼吸における吸気時で正しいのはどれか. 
1.横隔膜は上昇する.
2.外肋間筋は弛緩する.
3.胸腔内は陽圧になる.
4.腹横筋が主に収縮する.
5.上部胸郭は前上方へ拡張する.

解答

1.× 安静吸気時に横隔膜は下降する.
2.× 安静吸気時に外肋間筋は収縮する.
3.× 安静吸気時に胸腔内は陰圧になる.
4.× 安静吸気時は主に横隔膜と外肋間筋が収縮する.
5.○ 正しい.


〈第53回 PT国試・OT国試 午後73〉

安静時の呼吸運動で正しいのはどれか. 
1.呼気時に腹圧は上昇する.
2.吸気時に横隔膜は下降する.
3.呼気時に外肋間筋は収縮する.
4.吸気時に気道抵抗は上昇する.
5.胸郭下部は前後方向の動きが左右方向より大きい.

解答

1.× 吸気時に腹圧は上昇する.
2.○ 正しい.
3.× 吸気時に外肋間筋は収縮する.
4.× 吸気時に気道抵抗は低下する.
5.× 胸郭下部は左右方向の動きが前後方向より大きい.


〈第52回 PT国試・OT国試 午前64〉

健常者の安静時呼吸について正しいのはどれか. 
1.呼吸数は25/分程度である.
2.呼気時の気道内圧は陽圧である.
3.呼気時の胸腔内圧は陽圧である.
4.呼気時に外肋間筋の収縮がみられる.
5.吸気時に胸鎖乳突筋の収縮がみられる.

解答

1.× 安静時の呼吸数は12~15/分程度である.
2.○ 正しい.
3.× 安静呼気時の胸腔内圧は陰圧である.
4.× 安静時吸気時に外肋間筋の収縮がみられる.
5.× 努力吸気時に胸鎖乳突筋の収縮がみられる.


〈第51回 PT国試・OT国試 午後66〉

呼吸循環調節系について正しいのはどれか. 
1.頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知する.
2.頸動脈小体は総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部にある.
3.大動脈弓の圧受容器からの求心路は舌咽神経である.
4.頸動脈洞の圧受容器からの求心路は迷走神経である.
5.血中の酸素分圧の低下は化学受容体を介して脊髄に伝えられる.

解答

1.○ 正しい.
2.× 頸動脈小体は内頸動脈と外頸動脈の分岐部にある.
3.× 大動脈弓の圧受容器からの求心路は迷走神経である.
4.× 頸動脈洞の圧受容器からの求心路は舌咽神経である.
5.× 血中の酸素分圧の低下は末梢化学受容体を介して延髄の呼吸中枢に伝えられる.


〈第48回 PT国試・OT国試 午前65〉

咳反射について正しいのはどれか. 
1.肺胞の受容器刺激によって誘発される.
2.吸気と呼気相の間に声門が閉鎖する.
3.カプサイシンの吸入で抑制される.
4.反射の中枢は大脳皮質にある.
5.流速はおよそ1l/秒である.

解答

1.× 咳反射は喉頭・気管・気管分岐部の受容器刺激によって誘発される.
2.○ 正しい.
3.× 咳反射はカプサイシンの吸入で促進される.
4.× 咳反射の中枢は延髄にある.
5.× 咳反射の流速はおよそ7l/秒である.


〈第40回 PT国試・OT国試 午後25〉

正しいのはどれか. 
1.PaO₂は約50Torrに維持されている.
2.PaCO₂は約60Torrに維持されている.
3.血液のpHは約7.0に維持されている.
4.PaCO₂は過換気で減少する.
5.代謝性アシドーシスでは換気が減少する.

解答

1.× PaO₂は約80~100Torrに維持されている.
2.× PaCO₂は約40Torrに維持されている.
3.× 血液のpHは約7.4±0.05に維持されている.
4.○ 正しい.
5.× 代謝性アシドーシスでは代償性に換気が増加する.


〈第42回 PT国試・OT国試 午後28〉

誤っているのはどれか. 
1.アシドーシスとは血液のpHが7.0未満の場合をいう.
2.PaCO₂が上昇すると換気が増大する.
3.代謝性アシドーシスでは換気が増加する.
4.換気低下で呼吸性アシドーシスを生じる.
5.呼吸性アルカローシスではPaCO₂が低下する.

解答

1.× アシドーシスとは血液のpHが7.35未満の場合をいう.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第46回 PT国試・OT国試 午後64〉

CO₂と換気との関係で正しいのはどれか. 
1.換気が低下すると呼吸性アルカローシスを生じる.
2.代謝性アシドーシスでは換気が増加する.
3.PaCO₂は通常24Torrに維持されている.
4.PaCO₂は呼吸性アルカローシスで上昇する.
5.PaCO₂が低下すると換気が増大する.

解答

1.× 換気が低下すると呼吸性アシドーシスを生じる.
2.○ 正しい.
3.× PaCO₂は通常40Torrに維持されている.
4.× PaCO₂は呼吸性アルカローシスで低下する.
5.× PaCO₂が上昇すると換気が増大する.


〈第39回 PT国試・OT国試 午後35〉

CO₂と換気との関係で誤っているのはどれか. 
1.PaCO₂は通常40Torrに維持されている.
2.PaCO₂が上昇すると換気が増大する.
3.PaCO₂は呼吸性アルカローシスで低下する.
4.換気低下で呼吸性アシドーシスを生じる.
5.代謝性アシドーシスでは換気が減少する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 代謝性アシドーシスでは代償性に換気が増加する.


〈第57回 PT国試・OT国試 午後64〉

酸塩基平衡で正しいのはどれか. 
1.正常の動脈血のpHは6.4である.
2.嘔吐では代謝性アシドーシスになる.
3.過換気では呼吸性アルカローシスになる.
4.呼吸性アルカローシスでは尿は酸性になる.
5.代謝性アルカローシスではKussmaul呼吸がみられる.

解答

1.× 正常の動脈血のpHは7.4±0.05である.
2.× 嘔吐では代謝性アルカローシスになる.
3.○ 正しい.
4.× 呼吸性アルカローシスでは尿はアルカリ性になる.
5.× 代謝性アシドーシスではKussmaul呼吸がみられる.


〈第50回 PT国試・OT国試 午後65〉

酸塩基平衡で正しいのはどれか. 
1.正常の血液pHは7.0である.
2.嘔吐では代謝性アルカローシスになる.
3.過換気では呼吸性アシドーシスになる.
4.呼吸性アルカローシスでは尿は酸性になる.
5.代謝性アルカローシスではKussmaul呼吸がみられる.

解答

1.× 正常の血液pHは約7.4±0.05である.
2.○ 正しい.
3.× 過換気では呼吸性アルカローシスになる.
4.× 呼吸性アルカローシスでは尿はアルカリ性になる.
5.× 代謝性アシドーシスではKussmaul呼吸がみられる.


〈第60回 PT国試・OT国試 午後66〉

アルカローシスをきたすのはどれか. 
1.嘔吐
2.飢餓
3.下痢
4.重症の喘息
5.CO₂ナルコーシス

解答

1.○ 正しい.
2.× 飢餓は代謝性アシドーシスをきたす.
3.× 下痢は代謝性アシドーシスをきたす.
4.× 重症の喘息は呼吸性アシドーシスをきたす.
5.× CO₂ナルコーシスは呼吸性アシドーシスをきたす.


〈第59回 PT国試・OT国試 午前64〉

肺拡散能に影響を与えるのはどれか. 
1.ヘモグロビン
2.死腔換気量
3.肺胞表面積
4.気道抵抗
5.残気量

解答

1.○ 正しい.
2.× 肺拡散能に影響を与えるのは拡散面積,拡散距離と血流である.
3.○ 正しい.
4.× 肺拡散能に影響を与えるのは拡散面積,拡散距離と血流である.
5.× 肺拡散能に影響を与えるのは拡散面積,拡散距離と血流である.


〈第49回 PT国試・OT国試 午前65〉

呼吸運動の促進要因として正しいのはどれか. 
1.気道の拡張
2.四肢の運動
3.髄液のpH上昇
4.動脈血酸素分圧の上昇
5.肺胞二酸化炭素分圧の低下

解答

1.× 気道の拡張は吸息を抑制し,呼息を促進する.
2.○ 正しい.
3.× 髄液のpH上昇は呼吸運動の抑制要因である.
4.× 動脈血酸素分圧の低下が呼吸運動の促進要因となる.
5.× 肺胞二酸化炭素分圧の上昇が呼吸運動の促進要因となる.


〈第45回 PT国試・OT国試 午後64〉

ヘモグロビンが酸素を離しにくくなる状態はどれか. 
1.体温の上昇
2.PaCO₂の低下
3.血液pHの低下
4.血中ケトン体の増加
5.血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の増加

解答

1.× 体温の上昇によりヘモグロビンが酸素を離しやすくなる.
2.○ 正しい.
3.× 血液pHの低下によりヘモグロビンが酸素を離しやすくなる.
4.× 血中ケトン体の増加によりヘモグロビンが酸素を離しやすくなる.
5.× 血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の増加によりヘモグロビンが酸素を離しやすくなる.


〈第48回 PT国試・OT国試 午後65〉

ヘモグロビン酸素解離曲線を図に示す.矢印の方向に曲線を移動させる状態はどれか. 

1.体温の下降
2.激しい運動
3.代謝性アルカローシス
4.動脈血の二酸化炭素分圧の上昇
5.血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度低下

解答

1.× 体温の上昇により曲線が右に移動する.
2.○ 正しい.
3.× 代謝性アシドーシスでは曲線が右に移動する.
4.○ 正しい.
5.× 血中2,3-DPG(ジフォスフォグリセリン酸)の濃度上昇により曲線が右に移動する.


〈第54回 PT国試・OT国試 午前66〉

末梢組織への酸素供給を増やすのはどれか. 
1.pHの低下
2.体温の低下
3.PCO₂の低下
4.赤血球数減少
5.ヘモグロビン濃度減少

解答

1.○ 正しい.
2.× 体温の上昇が末梢組織への酸素供給を増やす.
3.× PCO₂の上昇が末梢組織への酸素供給を増やす.
4.× 赤血球数減少は酸素解離曲線と関係ない.
5.× ヘモグロビン濃度減少は酸素解離曲線と関係ない.


〈第59回 PT国試・OT国試 午前93〉

ケトアシドーシスによってKussmaul呼吸が起こる理由で正しいのはどれか. 
1.O₂を取り込むため.
2.H⁺が減少したため.
3.CO₂を排出するため.
4.HCO₃⁻が増加したため.
5.pHの上昇を基準値に戻すため.

解答

1.× CO₂を排出するため.
2.× H⁺が増加したため.
3.○ 正しい.
4.× HCO₃⁻が減少したため.
5.× pHの低下を基準値に戻すため.